3人 ページ7
想「Aちゃん一緒にお昼食べよ」
『うん』
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あれから本当に毎日、休み時間も自習中もお昼ご飯も
時間があると想くんは私に話しかけてきた
はじめの頃はやっぱり気まづくて、居心地が悪くて、
話しかけられるのが億劫だった
"放っておいてほしい"
"空気だと思ってほしい"
そんなことばかり思っていた
休み時間やお昼は逃げるようにチャイムの音と共に教室を出ていた
だけど、席が前後ということもあり、避けるのも逃げるのも
聞こえないふりをするのも難しくて。
そんな日々を過ごし始めて2ヶ月ほど経つ頃には、それまで感じていた感情がなくなり少しずつ会話をするようになった
だんだん私も慣れてきて湊斗くんを含め3人で過ごすことが増えた
いつもは3人ともお弁当を持ってきているため教室で食べているけど、
今日は想くんが食堂でご飯を買うと言ったので
私と湊斗くんだけお弁当を持って食堂に向かう
お昼の食堂は当たり前だけどとても人が多く、賑わっている
ちょうど柱で死角になって、
周りからあまり見えない場所が空いていてそこに座ることになった
想くんはから揚げ定食を頼んだみたいでトレーをテーブルに置く
湊「Aちゃんもすっかり呼び方慣れたね」
お弁当を広げ、箸を持ったときに湊斗くんに言われた
『湊斗くんと想くんがたくさん話しかけてくれるから、
ずっと呼んでたら慣れたみたい』
私の言葉に続いて、
想「やっと最近俺の話で笑ってくれるようになったんだよー」
って想くんは湊斗くんに嬉しそうな顔でにこにこしながら言う
湊「うん、(笑)よかったね想(笑)」
湊斗くんは面白そうに笑って答えていた
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お昼ご飯の時間は、
想「湊斗が昨日の練習でコケるから負けちゃってさ〜」
湊「ちがうよ、あれは想の足がひっかかったんだよ!」
想「うわぁ、人のせいにするんだ」
と言いながらもとても楽しそうに話す2人
2人が毎日色々な話をしてくれるのがとても心地よかった
私が口数が少ないことにも何も言わずに居てくれる
想「Aちゃん?どうかした?」
『あ、ううん
ほんとに仲がいいなぁって思って』
でも少しだけ、
2人をみていると昔を思い出す
バスケ部だった頃、部活の友達と過ごした楽しい日々
ほんの少しだけ心が苦しくなる
左側の音が微かにしか聞こえないことがまた、
心の闇を深くさせる
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なな - ありがとうございます!無事読めました! (8月4日 7時) (レス) id: 5c12264889 (このIDを非表示/違反報告)
渼桜(プロフ) - ななさん» 0時に公開予定ですので、もう少しお待ちください! (8月1日 23時) (レス) id: 456b2554b3 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 素敵な作品をありがとうございます!もしよろしければ、続編を読むためのパスワードをも教えて頂きたいです。 (7月31日 6時) (レス) @page50 id: 5c12264889 (このIDを非表示/違反報告)
渼桜(プロフ) - えぬさん» この拙い文章を読んでいただいたことが嬉しいです。納得がいかずに訂正することも多いですが、、、。もう少しだけお待ちください! (7月26日 23時) (レス) id: 456b2554b3 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ - とても素敵な作品で大好きです。続編も楽しみに待っています。 (7月26日 22時) (レス) id: 56dc9f9a48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:貂 | 作成日時:2023年6月25日 16時