only you

桜の花びら �� (青羽side) ページ50

その佐倉くんの目を見て


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.


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最初から負けてたんだなぁ




そもそも恋愛に勝ち負けなんてないのに。



私、それくらい佐倉くんのこと本気で好きだったんだな


桜さんの代わりになろうなんて思うくらい、


周りが見えないくらい、


自分が間違ってるって分からなくなるくらい、


・・・少し考えれば分かることなのに。


それすら、忘れてしまうくらい


夢中で


本気で好きだったんだな





でも、それと同時に桜さんを傷つけていた。


自分の気持ちを抑えきれなくて、邪魔して2人を傷つけた


それが分かっているけど、


心の片隅でずっと忘れられなくて。


8年経った現在、再会したとき嬉しかった


また、前のように話せる日が来ると思ってしまった


佐倉くんは音のない世界での不安と恐怖と戦って、やっと自分の幸せを見つけていた


私はまた同じことを繰り返そうとしていた


気づけてよかった


もう傷つけたくない



安心からなのか、自然と涙がこぼれた




想〈 青羽 〉



目から伝う涙を隠すために下を向いていた私に



スッと



私の名前だけが表示されたスマホの画面が見えた



ゆっくり顔を上げて



想〈 俺の事好きになってくれてありがとう。
青羽に出会えてなかったら今の俺はいない、
たくさん傷つけて本当にごめん。

青羽には心から幸せになって欲しいって思ってるし
そうなれるって願ってる 〉


すごく優しい顔をしながら、続く言葉を見せてくれた


青「っ、、、

私もっ、、
佐倉くんのこと、好きになってよかった。


苦しい思いもしたけど、楽しいこと嬉しいことの方がいっぱいあったよ

ありがとう」


今まで胸の奥底にあったわだかまり、心残り、後悔が溶けて無くなった気がした


.


.


ブブッ



テーブルにあるスマホが揺れて、通知が来たことを知らせる



青「湊斗からだ、

！
桜さんと近くの公園にいるって、行こっか」


アプリにそう話して佐倉くんに見せる



うん

と
頷いてくれて


会計を終わらせてお店を後にした

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