only you

桜の花びら �� (青羽side) ページ49

佐倉くんは懐かしむように言葉を紡ぎ始めた


想〈 席が前後で、自己紹介のときに
自分と同じ音の苗字なんだって思った

いつも窓の外を眺めていて
時々とても悲しい表情するんだ。
湊斗と3人でよくいるようになって、
話してみると笑ったり怒ったり色んな表情を
見せてくれてどんどん惹かれていった。

まぁでも、結局傷つけてしまったけど...... 。〉


少しだけ、


苦しそうに笑いながら


スマホに紡いだ言葉を見せてくれる



青「でも、今2人すごく幸せそうに笑ってたよ」



アプリに写る私の言葉を見た佐倉くんが柔らかく、


今度は照れるように笑った



想〈 実は5年前に再会したとき、
Aにもう会わないって言われたんだ(笑) 〉




その言葉に驚いた



彼女も佐倉くんもお互いが想いあっていて、次に2人が会えば必ず結ばれると思っていたから



青「せっかく会えたのに？」


想〈 Aも俺とは違った音のない世界で暮らしていて
自分のこと以外にも家族とのことで苦しい思いをしていた。
俺なんかよりもずっと苦しくて、たくさん泣いて。
それを1人で背負って乗り越えて生きていたんだ。

��もう誰とも関わらずに1人で生きていくって決めたから
もう会えないし会わない��って、はっきり言われた。

A、自分のこと弱いって思ってるけど
俺なんかよりずっと強いんだ。

ずっと頼ることができない環境だったから、これからは俺がずっとそばで支えて幸せにしたいって思った。最初は渋ってて何も答えてくれなかったんだけど、一緒にいることを選んでくれた。俺は選んだことを後悔されないようにこれからも隣で支えたいって思ってる 〉

スマホに表示された言葉を読んで

前を見ると、

曇りのないまっすぐな目で私を見ていた

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