桜の花びら (青羽side) ページ47
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高校時代、
「言葉」
佐倉くんの作文を聞いてから
好きになるのに時間はかからなかった
好きな声で、好きな言葉を紡ぐ人だな
幼なじみの湊斗が佐倉くんと同じクラスだと知り、すぐに紹介してもらおうと隣のクラスへ向かった
湊斗に「佐倉くんっている?」
そう訊ねると
湊「想? 窓側の席だよ」
そう言われて
窓の方に目を向けると、
湊斗と佐倉くんと3人で一緒にいるのを見たことがある、
白くて華奢で儚げな雰囲気を持つ彼女と佐倉くんが2人で笑っていた
まるで2人だけの世界にいるようで
その周りだけ柔らかくて幸せそうで、光を放っているようだった
そんな光景を見て
湊「想呼ぼうか?」
「ううん、やっぱ何でもなかった笑」
話しかけれず、そもそも近づきもせず自分の教室へ戻った
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高3になりどうしても彼を忘れられなくて、高校生活最後は何かしら関わりたい
その想いが湧いてきて、湊斗に紹介してもらい佐倉くんに毎日話しかけた
佐倉くんが好きだという音楽を聴き、
趣味が同じだと思って貰えるように
色々な曲を沢山聞いた
それでも
時々桜さんと話している佐倉くんを見かける
その時の
桜さんを見る彼の目がとても愛おしそうだった
私が近づけたと思っていても、
こっちを振り向いてくれることはない
そう理解して、2人を見る度に虚しくなった
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桜さんがあまり学校に来なくなり、佐倉くんと一緒にいる時間が増えた
そして、彼女が学校に来ても
佐倉くんと湊斗と一緒にいる所を見かけなくなった
私が佐倉くんと話すようになってから
段々と桜さんは悲しい顔をすることが増え
私と佐倉くんの距離が縮まる度に
苦しそうな表情をしていた
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分かっていたのに、
佐倉くんと一緒にいる時間が幸せで
見て見ぬふりをした
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そして
夏休みに入る直前、桜さんはいなくなった
いなくなったというより、
東京の高校へ転校した
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なな - ありがとうございます!無事読めました! (8月4日 7時) (レス) id: 5c12264889 (このIDを非表示/違反報告)
渼桜(プロフ) - ななさん» 0時に公開予定ですので、もう少しお待ちください! (8月1日 23時) (レス) id: 456b2554b3 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 素敵な作品をありがとうございます!もしよろしければ、続編を読むためのパスワードをも教えて頂きたいです。 (7月31日 6時) (レス) @page50 id: 5c12264889 (このIDを非表示/違反報告)
渼桜(プロフ) - えぬさん» この拙い文章を読んでいただいたことが嬉しいです。納得がいかずに訂正することも多いですが、、、。もう少しだけお待ちください! (7月26日 23時) (レス) id: 456b2554b3 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ - とても素敵な作品で大好きです。続編も楽しみに待っています。 (7月26日 22時) (レス) id: 56dc9f9a48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:貂 | 作成日時:2023年6月25日 16時