only you

事実 �� ページ41

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想と私の向かい側に

青羽さんと湊斗くんが座る



テーブルの上にはスマホが1台



声に出した言葉を文字にしてくれるアプリを開き、湊斗くんたちの前に置く




私たちは、私のスマホのメモ機能に文字を打って会話する



想〈 高３の後半くらいから、耳に違和感があって病院に行ったら
"若年発症型両側性感音難聴"って言われて耳が聞こえなくなるって分かった 〉


画面を見せると、2人は悲しみと驚きに溢れた顔をして想を見る



想〈 耳が聞こえなくなるって言われて、受け入れられなかった


音のない世界が分からないから。


大学で上京するタイミングでこれまで関わってきた家族以外の人との連絡を絶とうと思った 〉


青羽さんが静かに涙を流す


湊斗くんも目にうっすら涙を浮かべて苦しそうな表情をして
想の言葉を待つ

想〈 湊斗に言おうと思った。でも俺自身が現実を受け入れられなくてどうしても言えなかった。
青羽も、、、、
言ったらきっと傷つけるし泣くと思ったから。
何も言わずに距離を置いた。
このまま会わなければいい、
時間が経てば何もなかったように過ごせるだろうって 〉



店員さんが泣いている2人をみて


「大丈夫ですか？」と聞かれて


すみません、大丈夫です。ってメモを渡すと




心配そうな顔をしながらもそのままペコッとお辞儀をして
仕事に戻っていった

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