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卒業 ページ35

想くんと私は


大学の卒業式が2ヶ月後に迫っていた



想「Aちゃんの袴姿楽しみだなぁ」


いつものカフェで、カフェラテを飲む私に

嬉しそうに話す想くん


.



本当は証書をもらうだけで

卒業式に出るつもりも、袴を着るつもりもなかった



だけど、



想くんが「着て欲しい、一緒に写真を撮りたい」って
言ってくれたから・・・



記念に着ることにした




『私も、想くんのスーツ姿楽しみだなぁ』



偶然なことに


全く同じ日に卒業式がある私と想くん


式が終わったら待ち合わせをして写真を撮る予定である



想「就活でも着てたし制服とほぼ一緒じゃない？」



『全然違うよ、さらにかっこいいよ』



想「まぁ顔がいいのは元々だから」



少しドヤ顔で手話する想くんがおかしくて
思わず笑ってしまった



『想くん、たまにそゆとこあるよね(笑)

でも本当にかっこいいからなぁ』



想「照れるからやめて」




両手で顔を隠して下を向く想くん


隠しきれていない、少し赤く染まった耳が可愛くて

思わず笑ってしまった



.





.





.





コトッ



本棚の空いている場所に


大きな花束と卒業証書を持つ袴姿の私とスーツ姿の想くんの写真を置く


想「きれいだったな」


『想くんがくれた花束、本当にきれいだった』


卒業式が終わって、袴姿で歩くの大変だからって
私の大学まで想くんが迎えにきてくれた


肩を叩かれて後ろを振り向いたら

大きなピンク色の花束を想くんが持っていて

「卒業おめでとう」と私にくれた


この時期には珍しい桜の枝が入っている花束で
白いバラやピンク色のバラ、かすみ草などが入っていて
とても可愛い花束


『ありがとう！

え、でもなんで、、？』


想「初めてAちゃんを見たとき
桜の花びらみたいにきれいな子だなって思ったんだ。

お花好きでしょ？いつもお花屋さん通る時チラチラ見て
たし、部屋にも飾ってたから記念に贈りたくて」


初めて貰った花束は一生の宝物

本当に嬉しかったな




そんなことを思い出していたら


想「違うよ、袴姿のAちゃんがきれいだったの」


って言うから


『メイクと袴マジックだよ』



想「元がいいからだよ」


嬉しいけど、

恥ずかしくて返答に困る言葉に、


...



『部屋、ある程度片付いたね』



話題を変えるという選択肢しか私にはなかった



想「あ、話逸らした」



とりあえず笑って誤魔化しておこう(笑)


.



.

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