only you

好きなところ ページ26

涙を手で拭い、紙とボールペンを出す




『・・・。』



" 想くんの優しい目が好き。選ぶ言葉が好き。

笑った顔が好き。

物事の考え方、感性が好き。、

常に相手を思いやることができる心が好き。

たまに自信満々なところが好きだった。"



想くんへの思いを、消すことが簡単に出来るスマホでは
なくてどうしても文字に形に残したかった



想いを書いた紙を想くんに渡す


読み始める彼の姿を見て、


今度はスマホで言葉を文字にする


《 自分から離れたけど、

今日また想くんに会って、

3年近く離れてたけど、
気持ちは変わってないって思った。

でも

もう戻れない。戻りたくないの。》


涙が頬に流れるのを感じながら


想くんにスマホを向ける


私の言葉に、


想〈 戻らなくていいんだよ。

2人でこれから支え合って生きたい。

俺はAちゃんのそばに居たい。
笑顔が見たい。手を繋ぎたい。

失ったものは大きいし、
言葉を音で伝えることは出来ないけど、
俺の気持ちはずっと同じだよ。

初めて会った時からAちゃんが好き。〉


そう、強い眼差しで


彼は答える




どうしていつも

私の心を明るくしてくれるのはあなたなんだろう




閉ざしていた

忘れていた


気持ち、感情を思い出させるのは彼なんだろう



想くんが紡ぐ言葉は



なぜか、暗い私の心に光を射す




『っ、、、、』



心が揺らぐ


彼の言葉ひとつに、決心が鈍り始める自分が情けなくて


言葉が出ない


何も返せない




想〈 もう一度だけ信じて欲しい。

俺は絶対Aちゃんを裏切らないし
傷つけることはしない

俺、耳聞こえなくなるし
声もきっと出さなくなる

普通じゃなくなるけど、Aちゃんを好きな
気持ちはずっと変わらない、消えない。

だから、付き合って 〉




そんな私に彼はまた言葉を紡いだ

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