only you

想い �� ページ25

《 もうこれ以上、話すことはないよ 》




想くんのスマホにそう打ち込み、画面を見せる



想〈 ある。

俺、Aちゃんのことが好き。〉



思わず、動きが止まった


ゆっくり彼の方を見ると、とても真剣な目をしていた


それまでスマホのメモ機能で言葉を伝えていたのに、


さっきと同じ言葉を手話で言われた



「Aちゃんが好き」



好きって言葉は"手話"で、目を見てまっすぐ


想くんは伝える




なんで．．．





なんでいまなの．．．？


もう裏切られるのは嫌なのに、


1人で生きていくって決めたのに、


なんであなたはいつも私を光の方へ呼ぶの、、、、？




『・・・』



だめ、断らなきゃ

また

裏切られて心がすり減る思いを味わうのはもう嫌だ



そう思うけど、体が動かない



下を向いたとき



スっとハンカチを渡され、一緒にスマホの画面も見せられた



想〈 泣かないで、Aちゃん 〉



自分の頬に手を伸ばすと、濡れていた

私、泣いてるんだ

気づかなかった


お母さんがいなくなってから泣いてなかったのに


弱いなぁ、、


私って、、、


そんなことを考えていたら



想〈 Aちゃんは俺のこと、きらい？ 〉


スマホに打ち込んだ言葉を私に見せる


顔を上げて目が合うと


あの頃のようなすごくすごく優しい目で、
顔で笑った想くんがいた

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