再会 ページ23
躊躇いがちにスっと手を私の前に出す
想〈 今日はこれでお願いしてもいい?(笑)
次会うときは上達して、普通に会話できる
レベルまでになるから〉
そう
画面を見せて
スマホを振るから、
これ って
きっとスマホで話そうってことなんだろうな
それよりも、、、
次
その言葉を聞いて動きが止まる
《 もちろん
私も声使えないから、無理して声使わなくていいんだよ 》
私、いま上手く笑えてるかな
想〈 俺実は2ヶ月前Aちゃんのこと見かけたんだ、
名前呼んだけど反応がなかったから、違う人かなって 〉
2ヶ月前
おそらく病院で見かけたんだろう
私の反応がなかったってことは、、、
《 そのとき、
左と右、どっちから話しかけた? 》
想〈 左、、、かな?〉
耳のことを伝えるか迷ったけど
声のことも知られてしまったし...
ちゃんと伝えよう
《 、、、、
今まで黙ってたんだけど、中学の時に事故にあって
後遺症で左耳ほとんど聞こえないんだ 》
想〈 ! 、、、、
もしかして高校の時から?
ごめん、気づかずに普通に話して 〉
とても申し訳なさそうな顔をするから
言わなかった方が良かったかもしれないと思ってしまった
《 気にしないで、私が話さなかっただけだから 》
少し冷めてきたカフェラテを飲む
.
.
スマホに文字を打ち込んでいる途中、
一瞬動きが止まった想くんが
想「・・・、」
〈 また会いたい。
もっとAちゃんのこと知りたい。〉
ゆっくり画面を私に見せる
素直に嬉しかった
会いたいという言葉に、知りたいという言葉に、
あの頃のようにときめいた
だけど
《 ごめん。
もう誰とも関わらないで生きていくことにしたの。
いとこが手話教室で講師やっててね、手話を習ったんだ。
この先私1人で、できないことはいとこが助けるって
言ってくれたの。
私は1人でも大丈夫、生きていける。
だからもう想くんとは会えないし、会わない。》
目を見てはっきりと伝える
もう、傷つきたくない
裏切られたくない
誰も悲しい顔をさせたくない
心も体も環境もすべてが、高校時代とは変わった
私の生き方も。
__ あの頃のようには戻れない
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なな - ありがとうございます!無事読めました! (8月4日 7時) (レス) id: 5c12264889 (このIDを非表示/違反報告)
渼桜(プロフ) - ななさん» 0時に公開予定ですので、もう少しお待ちください! (8月1日 23時) (レス) id: 456b2554b3 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 素敵な作品をありがとうございます!もしよろしければ、続編を読むためのパスワードをも教えて頂きたいです。 (7月31日 6時) (レス) @page50 id: 5c12264889 (このIDを非表示/違反報告)
渼桜(プロフ) - えぬさん» この拙い文章を読んでいただいたことが嬉しいです。納得がいかずに訂正することも多いですが、、、。もう少しだけお待ちください! (7月26日 23時) (レス) id: 456b2554b3 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ - とても素敵な作品で大好きです。続編も楽しみに待っています。 (7月26日 22時) (レス) id: 56dc9f9a48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:貂 | 作成日時:2023年6月25日 16時