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目の前に立つ大きな桜の木を見上げる


はらはらと舞う桜の花びらたちがとてもきれいで、
いつもより少しだけ気分が良い


ゆっくりと歩き新しい学び舎へ足を進め、教室に入る


黒板には座席表が貼ってあり、
窓側から名簿順に座るようで
私の席は運良く窓側の1番後ろの席。


良かった、、。"左側"窓だ、、。


ここには私のことを知っている人はいない

そう、分かっているはずなのに。

誰とも関わりたくない

静かに、ひっそり、1人で過ごし、卒業したい



私はイヤホンをして外のハラハラ舞う桜を眺め、入学式が始まるまで1人過ごした。






.





.







.






− 1年後 −







高校最初の1年間は願い通り静かに過ごすことができ、
行事もほとんど怪我を理由に休んだ


友達と呼べる人を作ることなく時が流れていく


でも、


ただ1人だけ。


会話を交わす人がいた


戸川湊斗くんという、サッカー部で
優しさが香っているたんぽぽのわた毛のような男の子


例えるなら洗いたての洗濯物みたいな
あったかくてほんとうに優しい香り

行事を休んだり通院で遅れて学校に行く時、
ノートを取ってくれて


休み時間のときにこんなことがあったよ、
クラスでこういうことが決まったんだ、

って

とてもフワフワした顔をして楽しそうに教えてくれる


きっと素で優しい人なんだと思う。

でも優しくすることが癖になって、

戸川くんが苦しい思いをすることがこの先あるのではないかと心配になる


湊「桜さん、来週から新しいクラスだね
また同じクラスになれるといいなぁ」


『私も

戸川くんと同じだったらすごく、心強いな』


湊「はは、嬉しいこと言うね」



『私学校で話すの先生と戸川くんだけだから(笑)』



湊「きっと桜さんは人見知りなだけだよ。」



当たり前に、

何でも受け入れてくれる優しい人

そんな戸川くんだから唯一話したいなって思ったんだ



『、、、戸川くん』



湊「なに?」


『1年間ありがとう』


湊「こちらこそ知り合ってくれてありがとう!

桜さんと話す時すごく気が楽だったんだ」


きっと戸川くんは自分より相手を優先していることに
ずっと気づいていない


優しすぎるのも大変だなと思う


『自分の気持ちを優先することも必要だよ』



湊「どういうこと??」


無意識なんだろうなぁ
相手の気持ちを優先しちゃうところ



『ううん、なんでもない』


?が見えるような、ぽかんとした顔をする戸川くんだった

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作品ジャンル:恋愛
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なな - ありがとうございます!無事読めました! (8月4日 7時) (レス) id: 5c12264889 (このIDを非表示/違反報告)
渼桜(プロフ) - ななさん» 0時に公開予定ですので、もう少しお待ちください! (8月1日 23時) (レス) id: 456b2554b3 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 素敵な作品をありがとうございます!もしよろしければ、続編を読むためのパスワードをも教えて頂きたいです。 (7月31日 6時) (レス) @page50 id: 5c12264889 (このIDを非表示/違反報告)
渼桜(プロフ) - えぬさん» この拙い文章を読んでいただいたことが嬉しいです。納得がいかずに訂正することも多いですが、、、。もう少しだけお待ちください! (7月26日 23時) (レス) id: 456b2554b3 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ - とても素敵な作品で大好きです。続編も楽しみに待っています。 (7月26日 22時) (レス) id: 56dc9f9a48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年6月25日 16時

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