不器用ロマンチカ

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次の日も、平野くんと学校へ向かい
私の教室の前でばいばいすれば、
鬼の形相でユマちゃんが走ってきて。






ユマ「 ちょっと見た？！ 」

「 え、なにが、 」





知らないの？！ってぎゃあぎゃあ。
なによーって気になっていると、
どういうことーーー！って大きいのがひとり。


長妻くんが、全力で廊下を掛けてきた。





長妻「 あれ！見て！あれ！ 」

「 … お、え、？彼女？ 」





三階の窓から覗き込むと見えた、
永瀬と永瀬に相反する小柄で
とっても可愛らしい女の子が並んでいて。

しっかりと繋がれた、手。






「 永瀬に彼女とかウケる要素しかない 」

ユマ「 は？ちょっと何言ってんの？ 」

「 てかわざわざ永瀬とか趣味わっる！ 」

長妻「 いやあ … もどかしいねえ！ユマさん！ 」

ユマ「 もどかしいとかそんなレベルじゃないから 」





てっきり私はAだと思ってたけど、
なんてユマちゃんが言う。


… ないないないない。



永瀬にも春が来たかあーーなんてね。






長妻「 おれも彼女ほしいーー！ 」

ユマ「 勝手にすれば！ 」

長妻「 なにあれ、更年期？ 」





… 永瀬にも、彼女ができた。


小さくて、可愛くて。
ふわりと笑うあの子は。

文化祭の時の、あの子、だった。




苦い。苦いなあ、なんか。



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