不器用ロマンチカ

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「 あれ、永瀬は？ 」

ユマ「 さっき長妻くんといた … けど 」





なんでそこにいるの、って。
ユマちゃんが長妻くんに聞いた。

… もうすぐ後夜祭が始まるっていうのに。


女の子に告白でもされているのだろうか。

でもLINEに既読もつかないし。


私に一番楽しむべきだ、って言ったけど
永瀬だってそうだよ。





長妻「 馬鹿だなー廉も！
後夜祭、ちょーーーう楽しいのに！ 」

「 … ね、 」





キョロキョロしていると、
永瀬くんいないねーーって声が聞こえて。

やっぱり誰も見てないんだ。


ほんっとどこ行っちゃったんだろう。

長妻くんが、近くにいた子に
廉しらないー？って聞くと、

さっきひとりで校舎に向かってたけどって。


目を輝かせながら言った。





「 … わたし永瀬のとこ行ってくる！ 」

長妻「 う、あ、ええ？！ 」

ユマ「 いってらー！
じゃあ長妻くん一緒にいてね？わたしと 」





… そこふたり、上手くいけばいいのに。

お似合いだなってふたりの後ろ姿を見て思った。


ほら、ひとつだけついてる灯り。
そこは私達が使っていた教室で。


ああ、ほんとに。





「 馬鹿永瀬！ 」

廉「 … おあっ！ 」

「 ずっるいなーー！
そんな事してまた女の子にモテようっていうの？ 」

廉「 ふざけんなアホ 」





わかってるよ。そんなこと。

大きな背中をすぼめて片付けている
永瀬を後ろからぱちんと１発、はたいた。





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