『優しさ』。(主人公目線) 水上颯 ページ45
私は確かに颯と付き合っている。
でも…私のことを特別好きでいてくれるわけではないらしいと悟ってしまった。抱きしめてと言ったら抱きしめてくれるし、キスして欲しいと言えばしてくれる。でも颯からされたことはない。恋人らしいことをしたいのと思うのは……私だけで。颯はそんなこと考えていないのだろう。
だからーー
『颯、もう別れよう』
別れ話を切り出した。
もう、解放してあげないと。
「…理由は？」
『私…欲張りすぎた、よね』
「どういうこと…？」
『颯が、本当はそんなに私を好きじゃないことに気が付けなくて……舞い上がって、色んなことにも迷惑かけたりしてさ…』
あぁ…何か泣けてきた。
私は本気で好きだったけれど、颯は違うんだって分かってしまったから。
「…」
『…今までありがとう、もう別れ「嫌だよ、そんなの」…え…』
「それは聞かない」
彼に手を掴まれる。…予想外だった。
『どうして…』
「お前が俺を優しいって言ったから、そういうふうに見せてたのに……やっと捕まえたのに離れようとするし」
『え…』
「不安させたのは俺のせい、それはごめん」
すると彼は私をベッドに押し付ける。こんなこと、してくれたことなかったのに。
『そ、颯…？』
「もう我慢しない……本当は俺の方が欲張りだってこと、教えてあげる」
押し付けられたままキスをされる。
ひとしきりされた後に彼の顔を見ると、見たことのない……男の人としての、顔。
『！』
射抜くような目だ。狩猟本能、というやつだろう。少し、ゾクッとした。
「A」
声もいつもよりワントーン低い。これは本気の声なのだろう。
「嫌だって言ってもやめないから」
その射抜くような目で私に迫る。
でも一つ一つボタンを外していく手は、繊細で…やっぱり優しかった。…見られるのは、恥ずかしい。
『ち、ちょっ……恥ずかし…』
しかし颯は私の言葉も聞かず洋服を取っていくわけで。そして恍惚そうな顔で私を見るんだ。
「……本当は、ずっと考えてたんだ」
『え…』
「こういうこと、するの」
颯がはっきりと言って見せた。男の人って、結構、そ、そういうのある、のかな……
『そ、颯……』
「今は堂々と言うよ、ずっとしたかった」
『！』
「まずは……脱いで」
こんな展開で初めて颯とするなんて。でも……私も颯も、今更止められない。
『…分かった…』
恥ずかしくて少し震えた手でボタンを外していった。
あけましておめでとうございました。
身長。(主人公目線) 水上颯→←プレゼント。(水上くん目線) 水上颯
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梨音(プロフ) - Y/Iさん» コメントありがとうございます。小説を書き始めた段階で水上くんの卒業と同時にやめようと密かに考えていました。 どれだけ更新が遅くても良いなら続けようとも考えましたが、更新するかすら分からない小説に待ってくれることを考えて、やめるという判断に至りました。 (2019年12月19日 22時) (
レス) id: 0f17c7733f (このIDを非表示/違反報告)
Y/I(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています。私はTwitterをやっていないです。４月以降も読ませて頂きたいのですが… (2019年12月19日 9時) (レス) id: aa8ffc0144 (このIDを非表示/違反報告)
梨音(プロフ) - 晴さん» 返信が遅くなり申し訳ありません。 今のところの予定としましては、3月で小説が全て終了する際、投稿したいと考えております。 (2019年12月1日 21時) (レス) id: 452ea8fdb4 (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - Twitterやってないのでできれば大人向けの方に続きあげてもらえると嬉しいです…！！ (2019年11月16日 20時) (レス) id: bc15b3e9b2 (このIDを非表示/違反報告)
梨音(プロフ) - ぷよーこさん» ありがとうございます！ 鶴崎さんはそういう可愛らしい所がありそうだなあと思いついたので、書いてみました！！ (2019年10月24日 22時) (レス) id: 1f8891565e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨音 | 作成日時：2019年10月21日 22時
