初めて。(主人公目線) 林輝幸 ページ22
「……A、さん」
彼が私の肩を優しく掴む。
年下の彼である林と付き合って3ヶ月。しかしお互いに初めての恋人なので、どうすれば良いか何も分からない。
でも……そろそろ時期的にはキスくらいは全然ありなのかな、なんていう期待を勝手に膨らませていたら、それを察せられたのかは不明だが何故か彼が私の肩を掴んだということである。
『う、うん…？』
見たことのない表情で見つめる。本当は私が年下の彼をリードしたいと思っていたけれど、どうやら彼は結構自分からリードしたいらしい。そういう所はしっかりしているみたい。(『ジャスコを出した人とは思えない』という言葉を思い出してほんの少し笑いそうになってしまったのは秘密だ。今この場では失礼に当たる気がしたので心の中に留めておく。)
『……輝幸』
そこで初めて名前を呼ぶ。彼は肩をピクっとさせて、はい、と返事をした。
『(そろそろ、敬語なくてもいいのにな…)』
そんなことを思いつつ肩を掴まれたまま彼をじっと見つめ返した。
『……好き』
「！Aさん…」
『好きだから、大丈夫だよ…』
「っ……本当に、言ってます…？」
『うん』
こんな私だが、好きな人とキスだってしてみたいのだ。今までの人生、そんなことは1度もなかったから。だからーー
『いいよ』
すると彼がそっと近づいてくる。胸がいっぱいになりそうになりつつも、目を瞑った。
そして……唇が触れた。優しくて、触れてすぐ消えてしまうような。でも私はその感覚がはっきりと残った。
「……っ…」
そっと目を開く。…そこにはかなり顔を赤くして恥ずかしそうにしている彼がいた。キスをしたという事実が急に恥ずかしくなったのだろう。
『ありがとう』
笑って返す。単に私は嬉しかったのだ。
「いえ……俺も、嬉しかった、です」
そう言って恥ずかしそうに横を向く。耳まで赤い所が可愛い。
『…キスまでしたのに、まだ敬語…？しかもさん付けだし…』
「え、で、でも」
すごく焦っている。こんなに取り乱す所はなかなか見ないので何だか珍しい。
『何も気にしなくていいんだよ、私が好きなのは貴方なんだから』
諭すような優しい声で言う。すると彼は素直に うん、と答えた。
『それでよし！笑』
えへへ、と笑う。
それに彼も優しく笑い返してくれた。
もう一度報告しますが、ツクールでの小説は3月で終了となります。4月からはツイッターで小説を投稿させていただきます。
2人の最初。(主人公目線) 水上颯 ー1ー→←今日、この後は。(水上くん目線) 水上颯
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梨音(プロフ) - Y/Iさん» コメントありがとうございます。小説を書き始めた段階で水上くんの卒業と同時にやめようと密かに考えていました。 どれだけ更新が遅くても良いなら続けようとも考えましたが、更新するかすら分からない小説に待ってくれることを考えて、やめるという判断に至りました。 (2019年12月19日 22時) (
レス) id: 0f17c7733f (このIDを非表示/違反報告)
Y/I(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています。私はTwitterをやっていないです。４月以降も読ませて頂きたいのですが… (2019年12月19日 9時) (レス) id: aa8ffc0144 (このIDを非表示/違反報告)
梨音(プロフ) - 晴さん» 返信が遅くなり申し訳ありません。 今のところの予定としましては、3月で小説が全て終了する際、投稿したいと考えております。 (2019年12月1日 21時) (レス) id: 452ea8fdb4 (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - Twitterやってないのでできれば大人向けの方に続きあげてもらえると嬉しいです…！！ (2019年11月16日 20時) (レス) id: bc15b3e9b2 (このIDを非表示/違反報告)
梨音(プロフ) - ぷよーこさん» ありがとうございます！ 鶴崎さんはそういう可愛らしい所がありそうだなあと思いついたので、書いてみました！！ (2019年10月24日 22時) (レス) id: 1f8891565e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨音 | 作成日時：2019年10月21日 22時
