昔々、そして今。(主人公目線) 水上颯 ー2ー ページ31
彼はすっかり大人なんだと、高校生の時とは違うんだと思わせられた。そのギャップにもドキドキさせられて。
『ダメ、じゃない……』
大人の男性になったと思うと、余計緊張してしまって顔が見られない。すると私の反応がいつもと違うと彼は察したのか、
「嬉しいよ、やっと同じ所に立てた気がする」
と言った。
『え…』
「Aはいつも何に対しても大人だと思ってたから……まあ確かに年上だから、そう思うのは当たり前なのかもしれないけど……」
『私、そんなに大人じゃない…』
「でも俺にはそう見えてる、余裕があるっていうか………でも」
『？』
「今のAは、余裕なんて無さそうだね」
『っ』
そうだ、私には余裕なんてないのだ。あまりにも格好よく成長してしまった元教え子……いや、彼氏を目の前にして。胸がかなり高鳴っているのだ。
「…しても、いい？」
こう言って彼は私を床にそっと押し付ける。
…何を、と聞くのは馬鹿らしい。ここまで来てすることなんて1つだろう。
『う、ん…』
私はもう頷くしかなかった。心のどこかではこれからを期待しているから。
「ありがと……優しく、する」
熱い瞳を向けてくれる。見たことのないその表情は、彼が欲してくれているからだろう。でも、きっと私も同じ目をしている。
『うん』
彼になら、と心を許す。
私も彼も飽きることなく、お互いに触れて行った。
「A、何をニヤニヤしてるの」
『！そ、颯』
颯が私の顔を覗き込む。相変わらず、整った顔立ちをしている。
それより……今の彼は付き合いたての頃より大人になり、何だかオシャレさんになった気がする。この間なんて、有名なブランドのシャツを着て丸眼鏡をかけていたし。
今年で大学を卒業だから、今のように颯と会える時間は間違いなく少なくなるだろう。しかし、それでも許されるのであれば彼を支えていきたいと思っている。
「どうしたの？嬉しそうな顔して」
『ちょっとね、昔のことを思い出してたの』
「昔？いつ？」
『3年前』
「…付き合い始めた頃？」
『うん……付き合って半年くらいの時のこと』
「半年…」
『あの時、私まだ颯のこと水上くんって呼んでた』
「あぁ…確かに」
『懐かしいでしょ、水上くん』
「久々だね…それ」
『先生は嬉しいよ、こういうふうになれて』
「！それは俺もだよ」
颯が横からぎゅっと抱きしめてくれる。そして私はこれからも彼のそばにいられるのかも、と嬉しくなった。
ケーキ2つ。 水上颯 ー1ー→←昔々、そして今。(主人公目線) 水上颯 ー1ー
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梨音(プロフ) - ぷよーこさん» ありがとうございます！これからもちょくちょく入れていきたいと考えています笑 (2019年10月14日 22時) (
レス) id: 1f8891565e (このIDを非表示/違反報告)
ぷよーこ(プロフ) - 同期組の会話、これからも大歓迎です(*≧∀≦*) (2019年10月12日 23時) (レス) id: 53d0fc1d02 (このIDを非表示/違反報告)
梨音(プロフ) - ぷよーこさん» コメントありがとうございます！ これからも、同期2人の会話を書いていけたらいいなと思っています！ (2019年10月5日 21時) (レス) id: 1f8891565e (このIDを非表示/違反報告)
ぷよーこ(プロフ) - 同期コンビの会話、大好きです(*´ω｀*)ありがとうございます(*≧∀≦*) (2019年10月4日 22時) (レス) id: 53d0fc1d02 (このIDを非表示/違反報告)
ユナイテッド - ありがとうございます！幾らでも待ちます！ (2019年9月16日 0時) (レス) id: e062a1cb2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨音 | 作成日時：2019年8月27日 22時
