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39 蘭side ページ40

仕事に追われる怒涛の日々にようやく区切りがつき、早く家に帰ろうとしていた時。

嬢から連絡が入り、「三途さん来店してます〜」のメッセージ。起きているAの顔を早く見たいからすぐに帰ろうと思っていたが、自宅よりもキャバクラの方が現在地からは近い為、少しだけ立ち寄る事にする。

三途が気に入っている女の顔を数秒拝んでから帰るだけだ。そこまでの時間は使わない。

今日までちゃんと帰れるかも分からなかった事もあり、マトモに連絡もせずにいたにも関わらず深夜に帰ってみれば当然のように用意されていた飯。

空腹なのかとか感覚も無いまま、用意された飯を口に入れるが何処か味気ない。死体処理にはすっかり手慣れたとはいえ、何度見ても面白いモンでもなく胸糞悪い。今日に限って肉料理だなんてタイミングが悪すぎるし、どんな皮肉なのだろうか。

……なんて思っても飯を作ってくれたAには何1つとして罪は無い。Aは俺のしている事なんて何1つとして知らねえし。

Aを極力巻き込まないようにする為に仕事の話はしないようにしていたが、それで八つ当たりなんてしていたら本末転倒だ。過去にした事を悔やんでいても無意味。

仕事が落ち着くまでは深夜に帰って来ては息を潜めて寝室に寄ってAの寝顔だけ見つめる日々だった。

深い眠りについているAを見て、安堵する。ちゃんとAは生きていて、呼吸をしている。……それと、俺が居なくても金さえ残しておいてやれば、Aは自分でちゃんと生きていけるはず。

今のAなら、きっと……万が一俺が死んだとしても強く生きていけるだろう。常に死と隣り合わせな生き方をしている俺は、もっとAとの時間を大切にするべきだった。

たとえ、Aの気持ちが俺の事を強く愛してくれていた頃のように戻らなかったとしても、俺が死ぬまではAの事、今度こそ大切にして愛していくつもりだ。

帰ったら、今までしてきた酷い事や浮気してた事を誠心誠意謝って2度と浮気しない事を約束しよう。本当は花やケーキを買って帰るのが1番なんだろうけど、この時間では空いている所も少ない。休みがちゃんと取れた時には、Aの行きたい所に連れて行ってデートをしよう。アイツが幸せそうに笑った顔を正面から見たい。

そんな思いを馳せているうちにキャバクラへと辿り着く。中に入り、VIPルームをこっそりと覗くと三途が楽しそうに話している相手はAだった_。

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設定タグ:東京リベンジャーズ , 灰谷蘭 , 梵天   
作品ジャンル:アニメ
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メイ(プロフ) - 最後まで読みました!!めっちゃ面白かったです!!ありがとうございました!! (4月14日 19時) (レス) @page50 id: 036127fc08 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - はるかさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️そう言っていただけてとても嬉しいです…!ありがとうございます。完結まであともう少しお付き合い下さい♡ (3月26日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか - 作者から作品を探すぐらいさきなさんの書くお話が好きです。更新楽しみにしています。 (3月24日 1時) (レス) @page37 id: 2fa442bcb8 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - リハさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️とても嬉しいです♡更新ちまちま進めていきますね🫶🏻 (3月16日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
リハ - とても面白くて大好きです!更新ファイト❣️ (3月15日 22時) (レス) @page28 id: fb4d5611fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきな。 | 作成日時:2024年2月23日 0時

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