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浮世離れの花が沢山咲いているような美しさに塗れた世界に紛れ込んだ気分だった。
鮮やかで煌びやかなキラキラした見慣れない光景に口をぽっかりと開けて眺めていた。
ここは蘭達が管理しているキャバクラのようだ。店内にいる女の子達は系統が違えど、綺麗な顔貌をしている子が集まっている。
同性の私ですら釘付けになって目が離せなくなってしまうのだから、異性が女の子達の美貌に振り回されてしまうのも頷ける。
三途春千夜が私を連れて来たからだとは思うが、女の子達は客よりも私の存在の方が気になっているらしい。四方八方から視線を感じ、肩身が狭い。
「おい、間抜けな面してねえで早く着いてこい。」
「……はい。」
黙ってついて行くと所謂VIPルームという場所であろう空間に2人きり。
私は三途春千夜の提案に乗っかり、彼と手を組む事を決意した。
その瞬間、九井さんはめちゃくちゃ止めに入ってきたが、聞く耳を持たない私達を見て何かを諦めた顔をして「俺を巻き込むなよ」と言って事なきを得た。
どうやら九井さんはプライベートでの面倒事に巻き込まれるのが嫌なようだ。当然であり、賢明な判断である。
「最初に言っておくが、身体の関係を持つ気は更々ねえからそういうのは期待すんなよ。」
「その方が私も有難いです。……私達、蘭の事を懲らしめる為の
三途さんは仕事を押し付けられていると言っていたが、自分の仕事を押し付けてまで可愛い女の子とイチャイチャする旦那、人としてどうかと思う。
私だけじゃなく、反社とはいえ仮にも仕事仲間にも鬱憤を溜めさせてしまうなんて情けないにも程がある。
「まあ、アイツにバレなかったら意味ねえからなぁ……。どうすっかな。」
顎先に指を置き、小さく溜息を吐いた彼。筋の通った高い鼻や綺麗な形の薄い唇は美麗なイラストから引っ張りだしてきたみたいだ。歪んだ表情でさえ、美しさが霞まない。
男性に対しての表現の仕方として間違っているかもしれないが、豪華絢爛な花のようだ。
目線だけこちらに向き、まじまじと見つめていた事に気付かれる。若干嫌そうに眼が細くなった。
「おい、俺の顔に見惚れてねえでちったぁ足りねえ頭でオマエも考えろ。」
見惚れていた事は素直に認めるが、出会って1日目の相手……仮にも結託した相手に失礼すぎる。
……流石は反社、としかもはや言いようがない。
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メイ(プロフ) - 最後まで読みました!!めっちゃ面白かったです!!ありがとうございました!! (4月14日 19時) (レス) @page50 id: 036127fc08 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - はるかさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️そう言っていただけてとても嬉しいです…!ありがとうございます。完結まであともう少しお付き合い下さい♡ (3月26日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか - 作者から作品を探すぐらいさきなさんの書くお話が好きです。更新楽しみにしています。 (3月24日 1時) (レス) @page37 id: 2fa442bcb8 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - リハさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️とても嬉しいです♡更新ちまちま進めていきますね🫶🏻 (3月16日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
リハ - とても面白くて大好きです!更新ファイト❣️ (3月15日 22時) (レス) @page28 id: fb4d5611fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきな。 | 作成日時:2024年2月23日 0時