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若干気まずさが残る中、何事も無く話を続けたのは九井さんだった。
「つうか、浮気したって確証あんの？｣
「蘭が帰ってくると女物の香水の匂いさせてたのと、リビングと寝室にぬいぐるみ置いてるフリしてカメラ仕込んでたら普通に私が居ない間に女連れ込んでた。」
「……案外抜かりねぇな、アンタ。」
唇の端をヒクつかせて無理やり作り笑顔を浮かべていたが、完全に九井さんはドン引きしていた。
うっかり暴露してしまった秘密。竜胆くんにもカクちゃんにも言わなかった事だ。
何故、私が浮気の確信を得たかと言うとリビングと寝室に隠しカメラを仕込んでいたから。見たくもない光景が沢山映り込んでおり、実に不快だった。そして、蘇ってくる嫌な記憶。
リビングには女を連れ込んでいたが、流石に寝室までは誰も入れる事は無かった。それだけは感心した。他の女が使ったベッドなんて使いたくないし。
もし寝室に連れ込んでする事ちゃんとしていたら寝室にすら立ち寄る事はしなかったと思う。
……蘭が、誰とも体の関係を持っていない事はちゃんと分かってる。
でもやっぱり。浮ついた気持ちがあるから浮気なのだ。
どキツイ香水の匂いを漂わせて帰ってきて、私が何も言わない聞かないのをいい事に開き直った態度で振る舞う蘭が苦手だった。
せめて隠す努力くらいはしろよって思われても当然だ。
「……で、灰谷蘭に報復する為に浮気相手探してるってワケかよ。」
蘭の嫁、という肩書きがある手前なのか未だに気まずそうに言葉を紡いでいく。
「本当に浮気相手が欲しい訳じゃないですよ。ちょっとくらい、蘭に反省して欲しいだけで。」
子供じみたやり方だって、分かっている。私の立場になって考えて欲しかった。
強行手段でも取らないと蘭は私を威圧して有無を言わさないようにしていただろう。
「俺がなってやるよ。浮気相手……つーよりも、懲らしめ相手？俺もアイツには仕事押し付けられて鬱憤溜まってるしな。」
「裏切り者は死体〜とか抜かしておいてそれは仲間への裏切り行為じゃねえのか？」
「何言ってんだ？仕事とプライベートは別だろ。」
確実に三途さんは面白がっている事を確信した。そして九井さんは反社のクセに割と根が真面目っぽいようだ。カクちゃんと通ずる部分がある。
「……で、どうする？オマエが決めていいぜ。」
甘い蜜を持っている美しい花のような誘惑。委ねられた選択権。
ドクドクと胸の奥底が脈打っていく感覚が強くなる。
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メイ(プロフ) - 最後まで読みました！！めっちゃ面白かったです！！ありがとうございました！！ (4月14日 19時) (
レス) @page50 id: 036127fc08 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - はるかさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️そう言っていただけてとても嬉しいです…！ありがとうございます。完結まであともう少しお付き合い下さい♡ (3月26日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか - 作者から作品を探すぐらいさきなさんの書くお話が好きです。更新楽しみにしています。 (3月24日 1時) (レス) @page37 id: 2fa442bcb8 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - リハさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️とても嬉しいです♡更新ちまちま進めていきますね🫶🏻 (3月16日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
リハ - とても面白くて大好きです！更新ファイト❣️ (3月15日 22時) (レス) @page28 id: fb4d5611fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきな。
| 作成日時：2024年2月23日 0時
