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無事に地獄の1週間を抜け、体調は万全とは言わずとも回復した。
蘭はあの日以降、仕事から帰ってくると私の傍に居る事が増えて家事をしていると「手伝う？」なんて聞いてくるようになった。
一体、どんな風の吹き回しなのかは分からない。でも、多分このまま私が気を許すタイミングを伺っているんだろうなあ。
生理も終わったし、今日は1週間分摂取出来なかったアルコールを浴びるように飲みに行こう。
蘭のご飯はもう作ってあるし、多分大丈夫。
気分上々でステップを踏むような軽やかな足取りで玄関に行き、靴を履いた。自室のクローゼットの奥底に潜んでいた12�僂離團鵐辧璽襦�
蘭と出会う前は良く履いており、ピンヒールを重宝していたが、暫く履いていないからかテンションは更に上がる。
外に出るとコツコツとアスファルトを鳴らす音が心地良い。大通りまで歩いて行こうとすると背後から腕を掴まれた。
履き慣れていたのは過去の話。久々に履いたうえに後ろから唐突に腕を掴まれたらよろけてしまう。
誰かの堅い胸板に後頭部が当たり、振り返る。暗がりの道を照らす街灯に伸びる影は2つ。
私の目の前には、蘭が居た。
「どこ行くんだよ。」
怒りよりも悲しみの方が強く含まれているような声色で問いかけられた。
蘭は狡いね。……そんな弱気な態度すれば、私が簡単に靡いて従順な嫁に戻ると思ってる節がある。
「今日は体調良くなったから飲み行ってくる。」
「……行くなよ。」
掴んでいた腕からするりと下りていく手は私の手を握って離そうとしない。
……前にも言ったよね。蘭が最初に始めた事なんだよ？私の気持ち考えた事1度でもあった？なんて今更言ったところで、私の傷は癒えはしない。
ただ「ごめん、もうしない」って私に言葉を与えて約束が欲しいだけ。それが出来ない間は、蘭の言う事なんて聞いてやらない。
もう待っているだけの花の役割は終わり。今度は私が蝶になって飛び回るの。蘭が待っているだけの花になって、私がどんな思いをしていたのか知って欲しい。
好きだよ、蘭が1番大好き。愛してる気持ちは変わらない。
これからも人生を一緒に生きていきたい。たとえ、今までの最低な事実があったとしても。
だからこそ、気づいてほしい。コレは、私の我儘じゃなくて願い。
「蘭、行ってくるね。」
有無を言わせない私の態度を見て諦めたのか、ゆっくりと蘭の掌が開いていった。
再び鳴り響くピンヒールの音は夜の街に溶け込んで行く。
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メイ(プロフ) - 最後まで読みました！！めっちゃ面白かったです！！ありがとうございました！！ (4月14日 19時) (
レス) @page50 id: 036127fc08 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - はるかさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️そう言っていただけてとても嬉しいです…！ありがとうございます。完結まであともう少しお付き合い下さい♡ (3月26日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか - 作者から作品を探すぐらいさきなさんの書くお話が好きです。更新楽しみにしています。 (3月24日 1時) (レス) @page37 id: 2fa442bcb8 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - リハさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️とても嬉しいです♡更新ちまちま進めていきますね🫶🏻 (3月16日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
リハ - とても面白くて大好きです！更新ファイト❣️ (3月15日 22時) (レス) @page28 id: fb4d5611fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきな。
| 作成日時：2024年2月23日 0時
