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買い物に行くって一方的に私の話聞かずに出て行ってしまったけれど、一体何を作るつもりなのだろう。

カクちゃんみたいに料理が趣味で作れます……ってタイプでもないし、買ってきてくれた材料で適当に作れそうな物決めよう。

休んでたら薬も効いてきたみたいだし、動く事も出来そうだ。

「ただいま。」

存在感のあるカリスマが気配を消していたかのように静かに帰って来る。

「買い物ありがとう。薬も効いてきたし、後は私がやるから……。」

ソファから立ち上がり、蘭の元へと近寄ると「座ってろ」と突っぱねられた。蘭なりの気遣いなのだろう。

素直に蘭のいう事を聞き、ソファに戻る。

蘭がキッチンに居るのが違和感。キッチンに立ち寄る事はあまりなく、冷蔵庫の中から物を取り出す時くらいだ。

キッチンに立っている蘭を見慣れないまま見つめていた。手を洗って包丁とまな板を取り出す……までは安心して見れいられた。

包丁を持ち始め、食材を切り始めた所で不安になってきた。後ろ姿からでも分かるくらいに不慣れで見ていて危なっかしい。

「座ってろって言っただろ。」

いつもの冷酷さは控えめな声色。いつも澄ました顔をしているか不機嫌そうな顔をしているかのどちらかが多く、あたふたしている困り気味の表情はなかなか見られない。

「食材は私が切るから、何作りたいのか教えて。」

「……コレ。」

スマホの画面をぶっきらぼうに私の目の前につきだした。画面に映っているのは煮込みうどん。

蘭の事だから自分の食べたい物を作りたいのだと思っていたけれど、私の体調の事を考えてくれたのだろう。

「野菜切るから、切る食材を並べて貰ってもいい?」

「……分かった。あと何やればいい?」

「土鍋、あの棚の中に入ってるから取って欲しい。」

初めて「何やればいい?」なんて聞かれた。こんな協力的な所を見せるのは初めてだと思う。

並べられた食材を順に切っていき、土鍋に放り込んでいく。

「飯作るのって大変なんだな。」

ぼそり、と蘭の声が聞こえる。そんなの今頃気づいた訳?って切れてやりたい所だけど、とても今はそんな元気はない。それに気付けただけ、まだマシだと思う事にした。

「そうだよ、大変。……でも今日は蘭が買い物行ってくれたから凄く助かったよ、ありがとう。」

「……ん。」

ごく自然な夫婦のような会話。本当に、気持ちが沈んでる時にこんなやり取りをすると目尻が熱くなってくる。

唇を噛んで、涙を零さないようにした。

27→←25 蘭side



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設定タグ:東京リベンジャーズ , 灰谷蘭 , 梵天   
作品ジャンル:アニメ
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メイ(プロフ) - 最後まで読みました!!めっちゃ面白かったです!!ありがとうございました!! (4月14日 19時) (レス) @page50 id: 036127fc08 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - はるかさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️そう言っていただけてとても嬉しいです…!ありがとうございます。完結まであともう少しお付き合い下さい♡ (3月26日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか - 作者から作品を探すぐらいさきなさんの書くお話が好きです。更新楽しみにしています。 (3月24日 1時) (レス) @page37 id: 2fa442bcb8 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - リハさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️とても嬉しいです♡更新ちまちま進めていきますね🫶🏻 (3月16日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
リハ - とても面白くて大好きです!更新ファイト❣️ (3月15日 22時) (レス) @page28 id: fb4d5611fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきな。 | 作成日時:2024年2月23日 0時

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