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21 蘭side ページ22

寝ぼけ眼で視界が滲む。何度か瞬きをするとやっとはっきりと見えてきた。

リビングにはAの姿は無い。ソファに放置されていたスマホを手に取ると午前6時。

いつもはこの位の時間には起きているAだが、今日はまだ起きて来て居ないようだ。

どうせAは暢気にまだ眠ってんだろうなと寝室の扉を物音立てずにゆっくりと開く。

シーツには確かに居た痕があるような所々にシワがある。けれど、肝心のAは居ない。

何処に行った?

昨晩、Aは泣いていたように見えた。問いかけるとその問いかけに答えは返って来なくて苛立ちをぶつけるように無意識にAに暴言を吐いていた。

本心から出た言葉では無かったが、冷戦が続いているこの状況で言っても良い言葉では無かっただろう。

探しに行きたい気持ちは強いが寄りによって押し付ける事が出来ない仕事が入っていてすぐには動けない。

スマホに数回電話を掛け、メッセージを送るがどちらも応答は無し。

Aが夜遅くまで帰ってこなかった事はあっても、こんな朝早くから家を出ていった事は無い。

悶々としている内に玄関の方から徐々に足音が近づいてくる。

何処行ってたんだと咎めてやろうと玄関の方面に体を向けた。

リビングに入ってきたAの姿は素朴な服装に簡単に済ませたであろうメイクが施されている。

俺がよく知っている見慣れた姿を久々に見て、何処か安堵した。

しかし、何時もよりも顔色が悪いような気がする。

Aに関心が無い訳じゃない。長年一緒に居れば、些細な変化だって気付く。

「おい、体調悪いのか?」

「薬局で薬買ってきたからそれ飲んで少し休めば大丈夫。それより今からお弁当作るから待ってて。」

色が抜けたような白い顔のAにそこまでさせる程、鬼畜では無い。

「弁当要らねぇし適当に買うから休んでろ。」

「本当に大丈夫。作れるから。」

頑なに身を引かないAに再び苛立ちを覚える。

……でも、多分。俺がそうさせて来たのだろう。ココ最近、俺の過去の言動を思い返すととても嫁相手とは思えない程酷い事をしていたと思う事が多かった。

Aが俺無しじゃ生きていけないようにする為の歪んだ愛情表現。

もはや、愛情表現では無かったのかもしれない。嫁をコントロールする優越に浸ってるだけの最低な男。

「マジで作んなくていい、休んでろ。」

無理やりAをソファに座らせて「行ってくる」とだけ声を掛けて家を後にした。

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設定タグ:東京リベンジャーズ , 灰谷蘭 , 梵天   
作品ジャンル:アニメ
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メイ(プロフ) - 最後まで読みました!!めっちゃ面白かったです!!ありがとうございました!! (4月14日 19時) (レス) @page50 id: 036127fc08 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - はるかさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️そう言っていただけてとても嬉しいです…!ありがとうございます。完結まであともう少しお付き合い下さい♡ (3月26日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか - 作者から作品を探すぐらいさきなさんの書くお話が好きです。更新楽しみにしています。 (3月24日 1時) (レス) @page37 id: 2fa442bcb8 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - リハさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️とても嬉しいです♡更新ちまちま進めていきますね🫶🏻 (3月16日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
リハ - とても面白くて大好きです!更新ファイト❣️ (3月15日 22時) (レス) @page28 id: fb4d5611fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきな。 | 作成日時:2024年2月23日 0時

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