02 蘭side ページ3
どのくらい放心状態が続いただろう。
比較的何事に対しても引き摺らず、切り替えは早い方だった。我に返るまで随分と時間がかかった。
今まで一緒に居たが、俺を罵倒する言葉を並べた事がなかったAがあんな事を言うなんて未だ信じられず、現在に至る。
豹変した態度のAは一体どこへ行ったのだろう。堂々と浮気する宣言をして勝手に外へ出ていきやがった。Aのクセに俺に逆らって腹が立つ。
強がって啖呵切っただけに過ぎないと決めつける。俺以外の男を知らないAが今更他の男と浮気なんて出来る訳ない。
……とはいえ、何時まで意固地になっているつもりか。何度かメッセージを送り、電話もした。それにも関わらず、電話は出ないしメッセージも既読すらつかない。
何処をほっつき歩いて時間を潰しているのか。
時刻を確認してみると、午前26時。終電の時間はとっくに過ぎている。どうせ、俺を焦らせようなんて陳腐な魂胆でビジネスホテルに泊まって居るのだろう。
俺がいないと何も出来ないAの目論見なんてそんなモンだし、俺にはお見通し。
そんな事を思っていれば、ガタンと物音が聞こえた。Aが帰ってきたのだろう。
目を腫らして、ぐしゃぐしゃな泣き顔を晒して「蘭、ごめんなさい……」としおらしく謝って来る姿が思い浮かぶ。
初めて俺に対して怒ったAにも、流石に我慢の限界があっただろうと少し反省している。
仲直り以降は暫くA以外の女との接触は仕事以外で控える事にする。
「ただいま。」
俺の予想を覆し、ケロッとした表情で帰って来た。Aからは体全体に浴びたのかと疑うくらいのアルコールの匂いが漂う。
それに加え、仄かに香るベルガモットとホワイトムスクが混じったような甘ったるい匂い。
横切ろうとするAの腕を掴んで睨みつける。今までのAだったら怯んで固まるか、身を震わせていた。
しかし、Aは掴まれた腕を煩わしそうに一瞥しているだけ。平然としているAに怒りを含んだ声で問いかけた。
「お前、誰と居た？」
無意識に力が加わり、一瞬だけ痛そうに顔を歪めた。
「蘭には関係ないよ。」
「関係あるだろ。何、浮気してんだよ。俺への当てつけか？」
「蘭の浮気許してるんだから、私も許してよ。……それともなぁに？蘭は良くて私はダメな訳？」
面倒くさそうに問い返されて言葉に詰まる。こんなA……俺は知らない。
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メイ(プロフ) - 最後まで読みました！！めっちゃ面白かったです！！ありがとうございました！！ (4月14日 19時) (
レス) @page50 id: 036127fc08 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - はるかさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️そう言っていただけてとても嬉しいです…！ありがとうございます。完結まであともう少しお付き合い下さい♡ (3月26日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか - 作者から作品を探すぐらいさきなさんの書くお話が好きです。更新楽しみにしています。 (3月24日 1時) (レス) @page37 id: 2fa442bcb8 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - リハさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️とても嬉しいです♡更新ちまちま進めていきますね🫶🏻 (3月16日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
リハ - とても面白くて大好きです！更新ファイト❣️ (3月15日 22時) (レス) @page28 id: fb4d5611fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきな。
| 作成日時：2024年2月23日 0時
