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あながち、間違いじゃない。
蘭は本来であればこういう派手な女の方が好きなのだろう。地味な女よりも、ずっとずっと。
そもそも、蘭の周りには派手で綺麗な女の子ばっかりだった。綺麗な花の中に質素な花が1輪紛れ込んでいたら、目に映る。
その現象と同じように、たまたま蘭の目に入って物珍しさで相手にされただけ。
「Aさんは元々清楚系だから。今の派手な格好も似合うけど、清楚系のAさん凄い可愛いからな？」
「お前の嫁でもねえのに語ってくんなよ。」
多分、無意識なのだろう。自然にスラスラと褒め言葉が出てくる事に感動した。蘭に「可愛い」って最後に言われたの何時だっけ？
それすらも覚えてないや。
「マジで可愛いんだって。気遣いも凄い出来るし、料理は美味いし、何より優しいし。」
「竜胆くん、褒めてくれるのは嬉しいけど何も出ないよ？」
なんだか、泣きそうになった。ここ数年、誰かに褒められる事もなかったし、認められるような言葉を直接掛けられる事は無かった。
私の日常は、全て蘭で形成されていて、誰かと深く関わりを持てなかった。
視界が揺らぎ、街の灯りが滲んで見える。視界がはっきりとした時には、涙が零れていた。
私が突然泣き出してしまったからか、竜胆くんはギョッとして焦りだし、銀髪の男性は口を噤んでしまう。
いけない、と涙を急いで拭うと竜胆くんが私の手を止める。私の表情が痛々しく見えたのか、竜胆くんの方が苦しそうな顔をする。
その優しさが、蘭にも1滴くらいあれば違ったのかな。
「……竜胆。今日はもう仕事も終わってるし帰っていい。蘭の嫁をそのまま放っておけねえだろ？」
「さんきゅ、九井。たまには気が利くじゃん♪じゃ、そのまま帰らせてもらうわ。Aさん、行こ。」
「でも……」
銀髪の彼を見るとハの字に下げて微笑まれる。申し訳なさを含んで頭を下げると彼は夜の街に消えていった。
竜胆くんに腕を掴まれて歩き出していくと、歓楽街を抜ける。
「とりあえず、飯食いに行こ。腹減ってると気分サガるし。」
竜胆くんなりに励ましてくれているのだろう。その心遣いに救われた一方、やっぱり蘭には少しくらい痛い目に合って貰わないと気が済まないという思いも膨張する。
「ありがとう、竜胆くん。どこ行こうか。」
「Aさんの行きたい所行こう。」
私の行きたい所、すぐに浮かんでこなかった。今まで蘭の言う通りにしてきたから、自分の意思をはっきりと伝える事が難しい。
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メイ(プロフ) - 最後まで読みました！！めっちゃ面白かったです！！ありがとうございました！！ (4月14日 19時) (
レス) @page50 id: 036127fc08 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - はるかさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️そう言っていただけてとても嬉しいです…！ありがとうございます。完結まであともう少しお付き合い下さい♡ (3月26日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか - 作者から作品を探すぐらいさきなさんの書くお話が好きです。更新楽しみにしています。 (3月24日 1時) (レス) @page37 id: 2fa442bcb8 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - リハさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️とても嬉しいです♡更新ちまちま進めていきますね🫶🏻 (3月16日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
リハ - とても面白くて大好きです！更新ファイト❣️ (3月15日 22時) (レス) @page28 id: fb4d5611fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきな。
| 作成日時：2024年2月23日 0時
