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夜が近づいてくる。私は今日も蘭と顔を合わせる前に家を出る。

家事は怠っていないし、ご飯もちゃんと作ってラップを掛けてある。

ただ、蘭の帰りを待つという事をしなくなった事だけ。

そもそも、帰りを待っていたって仕事だ接待だと帰ってこない日の方が多かったし、待つだけ時間の無駄だった。

蘭の機嫌がすこぶる悪い日なんて、目の前で作ったご飯をゴミ箱に捨てられるのも日常茶飯事。

やり残しが無いか確認後に自室に再び戻る。鏡で自分の顔を確認し、薄桃色の唇に赤みの強いリップで彩る。

くすみぼやけていたような顔が赤みさした事によってはっきりとした顔になる。

今日は、どこで飲もうか。カクちゃんは昨日呼びつけてしまったから連日呼び出す訳には行かない。

何処へ行こうか1人で唸りながら考えながら、近くの歓楽街へとタクシーを走らせた。

仕事終わりのオジサンやカップルもしくはホストの同伴なのか楽しそうだ。

夜の街は賑やかで煌びやか。なのに、心は寂しくなる。

それは私が独り、喧騒を掻き分けて夜の街の奥までぼんやりと歩いているからなのか。

「……Aさん?」

聞き慣れた声で名前を呼ばれ、アスファルトから視線を移し、顔を上げた。

「……竜胆くん。」

屈託のない笑顔を向けられ、曖昧に微笑み返す。竜胆くんの隣に居る銀髪の切れ長の瞳の男性とも目が合い、軽く会釈をする。

竜胆くんや蘭と顔の系統は違えど、整った顔貌をしていた。

「この人、兄貴の嫁。」

銀髪の彼に紹介すると、あまり興味が無さそうで適当に相槌を打っていた。

「……で、Aさんはこんな所で何やってんの?もしかしてこの前言ってた事ガチな訳?マジで浮気なんて辞めといた方がいいよ。な?」

諭す様に優しい声。どうやら私は酒が弱いという印象が根強かったらしく、この前の私の発言は酔った勢いだと再確認しているのだろう。

肯定も否定もしないでいると、先程まで私に対して微塵も興味を示さなかった銀髪の彼が面白がっているような笑みで私に話しかけてくる。

「何?浮気してえの?良い男紹介してやろうか?」

反社おススメの良い男なんて碌な男じゃないに決まっている。会ったら最後、その辺の風俗店やら何やらに売り飛ばされて終わりな気がする。

「おい、マジで辞めろよ。Aさんに変な事言って唆そうとすんなよ。」

「冗談だろ。蘭の嫁なだけあって随分と派手な風貌してんな。」

蘭の嫁が清楚系だったなんて予想も出来ないのだろう。

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設定タグ:東京リベンジャーズ , 灰谷蘭 , 梵天   
作品ジャンル:アニメ
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メイ(プロフ) - 最後まで読みました!!めっちゃ面白かったです!!ありがとうございました!! (4月14日 19時) (レス) @page50 id: 036127fc08 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - はるかさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️そう言っていただけてとても嬉しいです…!ありがとうございます。完結まであともう少しお付き合い下さい♡ (3月26日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか - 作者から作品を探すぐらいさきなさんの書くお話が好きです。更新楽しみにしています。 (3月24日 1時) (レス) @page37 id: 2fa442bcb8 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - リハさん» 初めまして、コメントありがとうございます✨️とても嬉しいです♡更新ちまちま進めていきますね🫶🏻 (3月16日 0時) (レス) id: 4a9b8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
リハ - とても面白くて大好きです!更新ファイト❣️ (3月15日 22時) (レス) @page28 id: fb4d5611fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきな。 | 作成日時:2024年2月23日 0時

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