ー トクベツ ー《 N.Ren 》

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アクシデントとは言え初対面の俺を



家に案内してくれた彼女には感謝しかない。




お返しに何か出来ることは無いだろうか？








『あーー、もぅ、分かんない！！』






恩返しを考えながらただ田畑が広がる景色を



眺めていると壁の向こうの彼女の部屋から



響いて来た大きな声





.




.




そーっと静かに彼女の部屋のドアを開けると



パジャマ姿で勉強机に向かい貧乏揺すりをしている







廉「足、太なるから貧乏揺すりやめや」







なぜこの言葉を選んだか、そんなことは



今はどうでもいい。



俺は現役の大学生。高校生の勉強なら



俺にも分かることがあるかも知れない







『あ、廉さん、起きてたんですね？』



廉「叫び声で起こしたん誰やねん」



『あ…… ご、ごめんなさい！！』






俺は起きていた。



それなのになぜか彼女のきょとんとした



表情をみたらつい悪戯心のようなものが



芽生えてからかってしまった







廉「嘘、眠くなかったから大丈夫や」



『んもー！廉さん、意地悪！』



廉「ごめんごめん」






ぷくっと膨らませながら俺の肩をペシペシと


叩いてくる彼女。





＿＿＿＿ こんな妹がいるお兄さん、羨ましいわ





廉「勉強、続きは？」



『します』





俺の言葉を聞くなり仏頂面で勉強机に



向き直ったが、集中力が途切れてしまったのか



ペン回しをしながらペラペラとページを



めくる音を響かせている






廉「そんなことしても涼しくならんやろ、扇いでるつもりなん？」



『だっ！！もー、違います！！』





ころころと表情を変える彼女。







＿＿＿＿ やっぱ面白い







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