《木兎光太郎》貴方の卒業まで、あと...。

卒業まで。2 ページ2

ｼﾞｬｰ!






『...』






水道からボトルに水を注いでいる間

ぐるんぐるんと"引退"という文字が頭を回る。





そうだよ、引退＝悲しいことって考えちゃダメなんだよ!


もっとポジティブに!




あ、そーよそーよ!


別に引退したからって会えないわけじゃないし、会おうと思えば会えるし!



それに...。









『...あ』








変なことを考えながらスポドリを作っていたせいで

3年生を含めた個数が完成してしまった。




20個から14個へ、数は減るはずなのに。





そんなスポドリを眺めると、涙がポロリと1滴流れた。









『ｯ...』








やっぱり寂しいもんは寂しい。


そんな感情に嘘をつくことなんて自分には出来ない。





現実問題、引退＝卒業を意味するんだから...。



改めて好きな人...木兎さんが卒業してしまい

もう会えなくなるんだと実感させられる。




残り...1ヶ月と少しで。









.









.









赤葦「やっぱり泣いてる」









『ぇ...?


う、うぁぁあ!!?びっくりした!!』









突然真隣から声がすると思えば、

来年主将になるであろう赤葦くんが立っていた。



それより今泣いてるって...。




やばいと思って、袖をいっぱいに伸ばし目元を擦る。






泣かれてるところ、見られてしまったわ。

卒業まで。3→←卒業まで。1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す