wishing＿.*･ﾟ (ページ47)

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sho side

菜美は廉といると色んな表情を見せていた

不覚にも、その菜美は可愛くて魅力的だと分かってからどんどん自信が無くなり、菜美と話していても

＿＿廉だったらなんて言うんだろう

＿＿廉ならどんな行動するだろう

"廉だったら"が俺の心の中の口癖みたいになった

俺の勝手すぎる感情なのに廉をみるとイラつき、八つ当たりしてしまう···

・・・もう、諦めるべきか

潔く自分は引き下がり廉と菜美を応援した方がいいのではないかという弱々しすぎる考えが先走ってしまい、結果菜美と廉や亜希まで避けてしまった

・・なにも楽しくなかった

3人が居ないお昼はただの食事の時間だったし、菜美がいない登下校は俺の中で無意味な行動とまで感じた

そんな時、見知らぬ女子に呼ばれ、

"ずっと好きでした"

告白された

一生懸命伝えてくれるこの子には申し訳なかったけど、返事は考えなくても決まってる。俺はすぐに"ごめんなさい"と伝えた

だけど、

その子はいきなり抱きしめてきた

一瞬頭が真っ白になった

どれだけたっだろうか。きっと30秒も経ってないくらいでやっと理解出来た俺はすぐにその子を引き剥がした。

見ると今にもこぼれ落ちそうなくらい涙が溜まっている瞳で、"なぜ私じゃないとダメなの？もしかして綾瀬って子？"と悲しみの裏に怒りを含む声で言ってくる

少しこの子の気持ちが分かった気がした···

自分だと確信出来ないと不安でたまらないし、ましてや自分では無いと分かってしまったこの子はもっと辛い

俺は精一杯のおもいをこめて頭を下げてもう一度、"ごめんなさい。"とだけ伝えると、その子はそんな俺に観念したのか少し笑って

"分かった。聞いてくれてありがとう。頑張って"

とだけ残し、去っていった

少し伝え方が空回りしてしまっただけであの子もちゃんと自分を想ってくれていたんだとその時思った

＿＿＿この様子を菜美が見ていたとも知らずに

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体育祭当日＿

そして、菜美の返事を聞く日

そんな大事な日に限っても大寝坊をした

自分の競技の時間にはなんとか間に合い、廉と久々に言葉を交わした。

正直、同じ競技だと思い出した時は少し困ったけど

廉「あ！紫耀やん！」

前と変わらず接してくれる廉を見て安心ではなく罪悪感だけが心を満たした

そんな廉を見て咄嗟に出た言葉が

『····ごめん。廉、』

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