_45 ページ46
·
sho side
4月_
新しい生活スタートの日
『···やっべッ!!!!!!』
・・早速やらかしてしまった
亜希からの"起きない紫耀が悪いからね!先いくよ!"という鬼すぎるメッセージに返信する余裕もなく慌ただしく家を出た
全速力で走り、何とか間に合って学校に着くと
__お!寝坊助〜〜!
__さすが紫耀だな!間に合うのえぐい笑
『いや!マジで焦ったから!!!』
からかってくる同級生と会い、少し話た後亜希を探しに学校をウロウロすることにした
『へぇー、広っ!』
亜希を探すつもりが学校探検になり歩き続けていると、ふと周りの音が聞こえなくなっていたのに気づき、
辺りを見渡すと
『····え、どこだここ、』
正門側とは真逆の裏庭に来ていた
『やっべ!亜希に電話しねーと···!』
と、鬼の血相をしているであろう幼なじみを浮かべながら焦ってスマホを取り出し連絡先を探していると
"__君が教えてくれた恋のうたがこの世界の色を変えたんだよ"
美しいという言葉じゃ足りないくらいの歌声が耳に入ってきた
スマホから顔を上げると
大きな桜の木の下で儚くも美しい瞳で歌う女の子がいた
『····ッ』
目が離せないってこういうことなんだっていうのを知って、しばらくその女の子の歌を聴いていたけど、その子がこちらに気づき、歌は止まってしまった
無意識に俺の足は動いて
『すごいじゃん!!!!!!』
その時の俺の心の中を声を全力でその子に伝えた
それからその子と話して、名前は菜美だと知り、
名前を知っただけで胸が高なっていた俺はきっとこの時から菜美に惹かれていた_
"__2人ともう少しだけ一緒に居てもいいですか"
自分は疑われているにも関わらず真っ直ぐ相手と向き合って話す菜美はすごくかっこよくて、益々仲良くなりたいって思った
それから菜美を知る度、些細な思い出が増えていく度、自分の想いもどんどん増していって
・・・菜美が好きに、大切になっていた
『····ここに好きな子連れてくるの』
その時の菜美の涙は息が止まるほど綺麗で、切なかった
体育祭まで伸ばしてしまったのはただ自信がなかったから。その場で"ごめんなさい"を聞きたくなかったから···
思いの外、自分には余裕なんか無くて
だから、この時から
必要以上に菜美と親しい廉と比べてしまったんだ
·
98人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:木苺 | 作成日時:2022年8月26日 1時