ワガママ (ページ8)

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＿＿岸

2人が出会ったのは、今から3年前

俺達がまだデビュー前、ジュニアだった頃

俺とAは小学校からの幼なじみで

その日は仕事がオフだったから久々にAと2人で出かけようと約束していた

岸「よ！！お待たせ！」

『優太！久しぶり！』

岸「ほんとだな！どこ行く？」

『あんま出歩けないでしょ？カフェでも入って話そ！』

岸「悪いな、、毎回」

『なにを今更！笑』

幼なじみでも周りからしたら"アイドルと一般人"

入所したてで全く顔が知られてない時からAはそういうことを徹底してくれて

俺の問題なのに、俺なんかよりもずっと意識が高かった

『優太さ、いつ帰ってくる？こっち』

岸「あー、どーだろ。来月のどっかには？」

『お母さんがさ、優太は？ってうるさいの！』

岸「おい！鬱陶しそうにするなよ！！」

最近の家のこと、通っている学校のこと、

面白かったこと、イライラしたこと・・・

Aは俺と会う時、毎回自分の近況の話ばかりして

俺にはなにも聞いてこない

"岸「なあ、俺にも聞かないの？」"

1度聞いたことがある

するとAは、

"『私といる時間くらい仕事のことは忘れて欲しい』"

と、自分でも気が付かなかった俺の心の奥の気持ちを読み取っていたんだ

岸「···········俺らって共同体だよな」

『え、なに急に。怖いよ優太、、笑』

岸「は！！感動しろよそこは！！」

『ごめんて笑』

岸「至って真剣だからな！」

『··············でもわかる。家族でも恋人でも友達でも無い、』

『優太は特別な存在だよ。ありがとね』

真っ直ぐに言われたその言葉に

思わず目頭が熱くなった

岸「···········こちらこそありがとな」

こいつには絶対に幸せになってもらいたい

そんな小さい頃からの願いが、

この時ハッキリと明確になった

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