＿38 ページ39
·
＿＿紫耀
小さい時からきてた動物園
それだけで俺のテンションはあがっていた
廉がトイレに行くって聞いてついて行ったのは
ここに来たら必ず寄ってくお土産屋に行きたかったから
店「いらっしゃいませー」
廉に軽く説明した後、駆け足で入った懐かしのお店
どちらかと言うと裏の方にあって人も多くないから
ゆっくり出来て、そこも好きなところ
子供の時、ママに買ってもらった猿のぬいぐるみ
弟とお揃いのゴリラのキーホルダー
並んでいる品々も何も変わっていなくて
少しだけ鼻の奥がツンとしてしまう
「·········あ、」
端の方にある申し訳程度の小さなコーナー
赤ちゃん用のグッズが並んでいた
良かった
俺の思い出、まだ消えてなくて
ここのお店に来たかったもうひとつの理由
それがこのコーナー。赤ちゃんのコーナー
"『可愛い······』"
"「ちっちゃいね」"
"『·····だね。』"
"「····これ、付けたら可愛いだろうな」"
"『フフッ。ここに来てもゴリラなの？笑』"
Aと初めて動物園に来た時
このコーナーを見るAの目が凄くキラキラしてて、
すごい綺麗で、、
絶対に俺が守る。一生守る。
そんなことを目の前にあったゴリラのよだれかけを見ながらも
心の中で1人、強く誓った
店「それ、可愛いでしょ」
「はい！とても」
店「でもねー、全然売れないんだよね」
「え！そうなんですか！可愛いのに」
店「じゃあお子さんできたら持ってってちょーだいね」
「······はい！もちろんです」
俺の言葉に優しく微笑むと
裏へ行ってしまったおばあちゃん
目の前のよだれかけを
俺とAの子供が付けている姿を想像しながら
「また来ます！！」
店をあとにした
·
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 987人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：木苺 | 作成日時：2023年1月25日 23時
