ワガママ (ページ38)

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＿＿廉

福岡、大阪、東京とまわってきたドームツアー

気がつけばラストの名古屋を残すのみとなった

1公演ずつが言葉にできんけどとにかく楽しくて、

ワクワクして、ドキドキして

あ、これがドームなんやって毎回実感する

そして今日から名古屋公演

残り2回って考えたら寂しく感じるけど、

また絶対やるからな！

会えた人達とも来れんかった人達とも会えるように

・・・俺らもっともっと頑張らなあかんな

神「れん？？大丈夫？」

廉「·····ん？あー大丈夫大丈夫」

海「なに！まさかの廉ビビってる？！」

廉「そんなんちゃうてうっさいわ笑」

岸「たけー！！」

「ね！こんな高いとは思わんかった！」

俺らは今、名古屋にある東山動植物園のタワーに登って

動物や親子で賑わう園内を見渡しとった

想像以上に景色が良かったから、

ボーッと今までを思い返しとったらじんの声で我に返った

スタ「そろそろ始めまーす！」

DVDの特典映像のオープニングを撮り終わって

次の撮影のため駐車場へ向かう

廉「なあ、トイレ行ってい？」

「あ、じゃあ俺も行く」

神「おけ、俺マネさんに言っとく」

トイレに着いて入ろうとすると後ろの紫耀は立ち止まったまま

廉「え、はいらんの？」

「俺さあっちのお土産見ててい？」

廉「い、いーけど、笑」

「終わったら来て！」と、颯爽と走っていく紫耀

その後ろ姿は子供にしか見えんかった

最初からこれ目当てやったやん。絶対笑

そんなことを呑気に考えながら用を足してた事に

後悔するのはほんの数分後だった

そんな後悔をするとは知らずにお土産屋まで行くと

お店の前に突っ立っている紫耀

ん？なんかおかしない、、？

直感的に思った違和感には気づかんかったフリをして

駆け足で紫耀へ近寄っていく

廉「紫耀、どうしｯ·····」

廉「·········しょ、しょう？どうしたん？」

柄にもなく動揺してしまったのは、

紫耀が感情などない表情で地面の1点を見つめて

ただひたすらに涙を流していたから

まるで

あの日の紫耀が目の前にいるみたいだった

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