ワガママ (ページ28)

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＿＿神

初めてのドームツアー

俺は驚きよりもワクワクが勝って

演出、セトリ、衣装

全てを決めていく過程の時点で楽しかった

振り付けを考える紫耀と海人

中盤のあるコーナーを担当する岸くん

衣装を描いていく廉

今までだってみんなで作り上げてきたライブだけど

より一層力を入れて作り上げていく

神「しょー！マネさん呼んでた」

「あ、まじ？ありがとう」

「ごめん海人。ちょっと行ってくる」

海「おけー」

紫耀が席を離れると海人も水を買いに席を立った

少し休憩しよっかな

よし。紫耀が帰ってくるまでの間休もう

そう自分の中で決めると先程まで紫耀が座っていた椅子へ腰掛ける

岸「キュンプリ劇場！」

廉「ちょ、岸さんうるさい笑」

時折聞こえてくる岸くんや廉、スタッフさん達の

笑い声が心地よくて瞼が下がってきた時、

＿＿＿ﾌﾞﾌﾞｯ

肘をおいていた机の振動で目が覚めた

あぶなっ！寝落ちしそうだったー、、

ホッと息を吐いて、振動の主を辿ると紫耀のスマホだった

いやアイツ不用心すぎだろ

スマホを置いていくうえに、無防備に画面を上にしていた

流石に危ないと思い預かっておこうと手に取った時、

神「········ｯ、」

見えてしまった待受画面

顔すら写っていないものの、

隣を歩く女性を隠し撮りしたような写真

・・・どう見てもAだ

「はーい！お願いしまーす」

部屋に入ってきたことを知らせる紫耀の声

慌ててスマホを机の上に戻してその場を去った

前まで待ち受けは風景の画像だった紫耀

それは付き合ってる時もそう。

紫耀はAとの写真を待ち受けにしたがってたけど、

"『いつ誰が見るか分からないからダメ！』"

ってキッパリAが断ってた

それを思い出した上であの紫耀の待ち受けを思い返すと

今でもどれだけ紫耀がAを想っているか、

Aのことを考えているか、求めているかが、

分かってたはずなのにそれを上回るくらい

痛いほど思い知らされた

"「··········Aさ、＿＿」"

A、

やっぱりほんとのことを話すべきだよ

紫耀なら大丈夫だよ

こんな言葉は無責任に過ぎなかった

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