ワガママ (ページ11)

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＿＿岸

それからどれくらい話していたんだろう

気づけば窓の外は暗くなっていた

『あ、もうこんな時間。早く帰らないと』

廉「いやまだ夕方やん。大丈夫やって」

『明日朝からあるって優太から聞いたの！早く帰って休んでもらわないととこっちが困るんです！』

海「·········え、Aちゃん優し！」

ここもAの好きなところ

常に他人の事でも自分の事のように考えてるとこ

廉の言う通りまだ18時で、明日の入り時間は8時

俺たち自身も全然大丈夫なのに

『ほら！帰るよ！お会計！』

グダリ始める廉や海人をスルーして

半ば無理やり荷物をまとめはじめてレジの前へ

「俺が払うよ」

岸「いや、それは悪いって」

『そうだよ！せめて割り勘で、』

「嫌な思いさせちゃったし、そのお詫びとして！ね？」

結局、紫耀の圧に負けて甘えてしまった

お会計をする紫耀をお店の外で待っていると

『ごめん。ちょっと忘れ物』

Aが店の中へ入っていった

おい、A、幼なじみをなめるなよ？

Aは嘘をつく時、掌で頬を触る癖がある

今もしっかり触っていたから忘れ者なんて嘘

んー、まあ男の勘的に？

紫耀になにか言いに行くのかななんて思っていたら

岸「·············あ、ビンゴ」

廉「え、岸さんなににやけてんの」

海「何考えてんだよー！笑」

岸「は！！にやけてねーしそんなんじゃねーから！」

ガラス張りのドアから見えた店の中

そこにはとっくに会計を済ませた紫耀と

今日一の笑顔を魅せるAが何かを話していたんだ

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