【プロセカ】音楽と、共に【青柳冬弥】 (ページ43)

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43話ページ43

夕暮れの頃だった。私が、WEEKEND GARAGEから出て、家へ帰ろうとしていたとき。

　突然、呼びかけられた。振り向くとそこには＿＿。

「ねえ、そこの君」

「……っ」

　嘘だ。

　なんで、こんなところに……あいつがいるのか。

「あれ、覚えてないの？僕だよ、『秀斗』だよ」

「……覚えてないわけ……」

　こいつ……『秀斗』くんは、昔、私を馬鹿にした人だ。それに、元好きな人でもある。

　私は、秀斗くんと同じ音楽をして、一緒に立ちたくて、見よう見まねで歌とダンスをした。

　しかし、それを見た秀斗くんは、馬鹿にしたように鼻で笑った。「そんなこともできないのか？」と。

　それからだ。私が、音楽をやる側に立ちたくないと思ったのは。全ては、こいつが元凶。

「随分、ダンスも歌も上手くなったじゃん。凄いよね」

「何、その手の平返し……」

　散々、昔の私にボロクソ言ってきたくせして。腹立たしいにも程がある。

「どうせなら、僕とやろうよ。パフォーマンス」

「……は？」

「過去のことも、謝る。だから、今度こそは一緒にやろう」

　こいつは……謝るだけで、何でも済むと思っているのだろうか？