【プロセカ】音楽と、共に【青柳冬弥】 (ページ30)

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30話ページ30

後夜祭が始まった頃。私は寧々ちゃんに話しかけた。

「そういえば、寧々ちゃんに言いたいことがあって」

「……何？改まって。まさか、変なこと言うわけじゃないよね」

　寧々ちゃんには、冬弥くんのことは否定していた。恋愛感情を持っているわけではないと。だが、それは寧々ちゃんが言ったことが正しかったと、今日、気づいた。

　そのことを、寧々ちゃんに伝えると、呆気にとられたような顔をしながら「は？」と言われた。

　……だが。

「……ふふ。なんだ、そんなこと」

　そう言った寧々ちゃんは、笑っていた。

「じゃあ、今日は何か進展があったってこと？」

「うっ……それは……」

「……はあ。その感じじゃ、何もなかったんだ」

　今日は、いつもとは違う1日だった。……けどそれは、文化祭だったからであって、冬弥くんに関しては、抱きしめられたくらい＿＿。

　……ああ、そうだ。思い返してみると、私、冬弥くんとあんなに近くで触れたの、初めてだった……。

「……A？どうしたの？」

「あ……ごめん。今日の文化祭楽しかったなって、思い返してたの」

　ある意味あっているから、間違っては無いはずだ。

　寧々ちゃんの方を見ると、じいっと見られていた。疑われているのだろうか。