【プロセカ】音楽と、共に(番外編)【青柳冬弥】 (ページ17)

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喧嘩？(5) ページ17

「そうだね。それに、私も始めたばかりの頃は、上手くいかないことだらけだったし、Aちゃんだけじゃないよ」

「……でもまあ、そういう壁にぶち当たるのは当然だろ。オレたちは上を目指してんだから、尚更な」

　……そうか。

　みんな、誰だって何かしらの苦悩を抱えて、ここまで来てるんだ。

　なのに、私は、冬弥くんに……みんなに、当たってしまった。

「みんな、ありがとう。それから……ごめんなさい。声を荒らげちゃって……」

「……ううん。Aだって、辛かったんだもんね」

　杏ちゃんが、そう言ってくれた後、不意に……私の頭に、冬弥くんは手を乗せた。

「っ……？」

「……気にするな。平瀬の気持ちも……よくわかるからな」

　そう言って、冬弥くんは私の頭を撫でる。

　そして、そう言ってもらえたのが……なんだか、ありがたくて。

「うん……ありがとう」

「……。……ふっ」

　冬弥くんは、私の顔をしばらく見たあと、声を出して笑った。

　どういうことかわからず、私は何の反応も出来なかった。

「やはり、平瀬には笑顔が似合うな」

　……私、笑っていたの？

　でも、そっか……。私、嬉しかったんだ。こうして、受け止めてくれたことに。

　冬弥くんがいてくれて……みんながいてくれて、本当に良かったな。