つむいできた時間

7.沙弥 ページ8

「彩〜手伝って！」


「何を？」


この子は小南彩。私の寮の隣人であり、こっちに来てから初めての友達。ちなみにモデルさん。



「本をね、急いでダンボールにつめんないけんのよ！

　お願い！手伝って！」



「いいよ？でもその代わり…。」


「わかった、勉強やろ？

　今回は何の教科ですか？彩さん。」


少しおふざけを入れて聞いてみる。



「ん〜、数学で！」



「わかった。じゃあ、早よう手伝って！」



ここで、私の明かしていなかった情報を教えます。


(本つめよる間の時間稼ぎ？)


12歳までは、地元の福岡にいました。ただ、博多にはいなかったので、博多弁ではありません。


成績はいい方。何ていったら、彩から抗議が来るので、ほんとのところを言うと、成績はかなりいい方。ほぼ毎回、学年で1.2辺りを争ってる。



だから、私が何かを手伝ってほしいとき、代価は勉強へとなる。



そんなこんなで本がつめおわり…



「彩ありがとう！」



「ちなみに、どんな用途で使うのよ、この本。」


「あぁ、ドラマの撮影。

　私が出るシーンで使うから貸してくれって監督が。」


「そうなんだ。何話？」


「たしか…あぁ、1話と4話。

　あと…8話だね。」


「ん。チェックするわ。じゃ、数学ね、よろしく！」



「はいはい。おやすみね。ありがとう、彩。」




そう言うと、彩は手を軽く振って部屋に入っていった。








(明日、楽しみやな…！)





明日、どうなるかも知らずに、私は夢の世界へと落ちていった。





※小南 彩(コミナミ アヤ)

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