10.大貴 ページ11
「あれ、全部沙弥ちゃんの私物。
沙弥ちゃんは、JUMPのファンなの。」
「え？それって、本当ですか？」
無言でうなずく3人。
俺は、信じられなかった。
「監督に言われて、本棚の中身、全部持ってきてって言われたらしいの。
CDもDVDも、全部ね？
監督は知ってたみたい。沙弥ちゃんがJUMPのファンだって。」
「沙弥ちゃんは、この事隠してる。
有岡君に、ばれたくないって思ってる。」
「なんで…。」
「それは…本人から聞いた方がいいと思うよ？」
全てが意外で、それでいて少し悲しかった。
沙弥ちゃんは、なんで隠してた？
考えても、答えは出ないまま。
「あっ。」
沙弥ちゃんが立ち上がった。
ゆっくりこちらを向き、驚いたような表情をして、頭を下げた。
「沙弥ちゃん、こっち来て！」
戸田さんが沙弥ちゃんを呼ぶ。
歩いてくる沙弥ちゃんの表情は、いつもより固かった。
「なんですか？」
「ごめんね？話しちゃった。」
「え？」
「みんなからの質問、答えてくれる？」
少し潤んだ目で、沙弥ちゃんがうなずく。
「沙弥ちゃん、初めまして。薮宏太です。
驚かせちゃったみたいでごめんね？
ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな？」
そういうと、沙弥ちゃんはこくっとうなずいた。
目には涙がたまっている。
「沙弥ちゃんは、俺らのファンなのかな？」
「はい。」
消え入りそうな声で、沙弥ちゃんが答える。
「じゃあ、なんで沙弥ちゃんはその事隠してたのかな？」
「だって、声優やけ…声優から、こっちの世界に入るん、珍しいから…。
JUMPのファンやって、ばれたら、変な、噂、たつかもしれんって思って…。
そしたら、その変な噂の、中、JUMPの名前、有岡君の名前、入るん、いややけ…。
だって、好きやけ。JUMPの事。
ずっとずっと、好きやったけ…。
有岡君、会えるん、楽しみやったけど、隠しとった理由は、これです。
いややってから、そんなんなるの。」
泣きながら話す沙弥ちゃん。
けど、なまりが入ってて少しわかりずらい…。
「そっかそっか、ありがとう。そんな風に思ってくれとって。
沙弥ちゃん、関西の方出身？」
「福岡です。」
「なるほどね。なまりが似てたから、関西の方やと思って。福岡やったか。
ありがとう。沙弥ちゃん。」
さっきから関西弁で話しているのは雄也だ。
雄也が頭をなでると、嬉しそうに笑った。
俺に向けてくれた、あの笑顔で。
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舞 - ありがとうございます!「あの日の俺に戻れたら…」も読んでいただいているようで、すっごく嬉しいです!これからも、「あの日の俺に戻れたら…」「つむいできた時間」を、よろしくお願いします! (2018年1月23日 19時) (
レス) id: 5c2fe5af30 (このIDを非表示/違反報告)
まぁちゃん - 遅くなってすみません！ 全部読ませていただきました。 とても面白くて一気に読んじゃいました♪読んだことのないタイプの小説なので次の話がとても楽しみです♪ これからも頑張って下さい！ 応援してます☆ (2018年1月22日 0時) (レス) id: 6aa0fd5977 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - 椿さん» ありがとう〜！嬉しい！うんっ！更新頑張るね！応援ありがとう〜♪初日からめっちゃ嬉しい♪ (2018年1月3日 0時) (レス) id: c3f3bbe4d0 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - るいちゃんー 遅くなったけど更新頑張れ！！応援しとるよー！ (2018年1月2日 22時) (レス) id: e387359238 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞 | 作成日時：2018年1月2日 17時
