欲求不満

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…






『っ…ん、あ！ぅう…』





何これ

何これ何これ



抑えようとしても

勝手に声が漏れていく。

北人とも違う、ホテルの男とも違う

初めての感覚に

どうすれば良いか分からない。




壱「…ん、っはぁ、…どう？随分蕩けた顔してるけど」


『、してないです…っ』


壱「ふーん、してない、ね？あっそ。んで、そのー、北人クン？の隠し事、これ」





当たり前のような顔をして

「これ」

と言われても、

何も変わってることはない。





『…何ですか』

壱「匂い。人間には分からないみたいだけど。」





匂い…？





壱「ヴァンパイアにも優劣があるように、人間の血にもある。その基準が、この匂いの強さで変わる。」


『…そんなことがあるなんて、知りませんでした』


壱「普通は相手が教えてくれるはずだけど。よっぽど計画的な幼馴染らしいな、こんだけ強い匂い出して、契約もしないなんて。」


『、は？』


壱「普通なら、そんな呑気に生活できねーだろ。俺でもお前程のやつは初めてだよ。」





私が…？

知らなかった。

何で北人は教えてくれなかったんだろう。







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