・・・ ページ26
.
スタッフさんに背中を押されたと同時に会場の方では陣さんのMCが聞こえてきて、急がざるを得ない。
背に腹はかえられないけど、すごく、不安だ。
THE RAMPAGEは暴れ回るかっこいいグループだ。
今でさえ批判も少なく、私を応援してくれるファンが増えたことも自負している。
けれど、やっぱりあの頃の「なんで一人だけ女が」「〇〇くんを誘惑しないで」「相応しくない」色んな後ろ向きな視線は、今もたまに夢に見る。
だから自分を殺して、女を忘れて、かっこいいみんなに馴染めるように追いつけるように努力をしてきたから。
それは別に苦では無かったけれど、たまにこういう風に自分が" 女の子 "として、ましてやみんなと一緒に並ぶ時。
心臓がバクバクと鳴り止まなくて、あの頃の、足元を掬われるようなぐるぐると嫌なものが塒を巻く感覚が蘇ってきてしまう。
変に息が早くなって、吸って吐いてがちょっとずつ苦しくなる。
私は、THE RAMPAGEのAとして認めてもらえるだろうか。
私の居場所は、ちゃんと残されているだろうか。
「えーここでAが登場するらしいんやけど、" 心してお待ちください "ってこれなんですか?」
「" 登場したら分かります "になってるんでとりあえず出てきてもらいましょー、はいA出ておいで〜」
やましょうさんの緩い呼びかけと共にスタッフさんからのGOが出て、渋々ステージへ上がる。
途端に突き刺さる視線を直視できなくて、客席の表情が全部歪んでいるイメージが振り払えなくて、顔が強張る。
メンバーの大きな声やリアクションに、ハッとして客席を見ると、喜んだように目を輝かせるみんなの顔が見えてやっと息をつけた。
ああ、良かった。
私の居場所はまだここにあるんだ。
「ちょっ待ってや聞いてないんですけどスタッフさん!?」
「あ、ほくちゃん崩れ落ちてます。でも目だけガン開きでめっちゃ怖いです」
「壱馬さんマイク!マイク落ちたって!!」
「ちょ、ダメですよこんな可愛いA皆さんには見せられないです!僕が許しません!」
「いや陸さん逆逆!お客さんに背え向けてるやん!」
「A、抜け出してけんたとデートしない?」
「まこっちゃんスマホしまいなさい!」
「ちょお落ち着き!みんなちゃんと席戻りなさい!A全然見えへんて!俺も見たいんやけど!」
「すんませんほんと、ぼくらもサプライズだったんで…」
.
vol.265 夏服?☀️冬服?❄️🤨→←vol.264 ファンミーティングありがとうございました!😂🙏🏻✨
327人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
も。(プロフ) - 美紀さん» コメント、お心遣いありがとうございます!🥲🙏🏻✨暫くは毎日更新していきますので、良ければお付き合いください!✨ (2021年10月2日 14時) (レス) id: 0f1c4a8bf0 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - ランぺ大好きです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年10月2日 10時) (レス) id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:も。 | 作成日時:2021年10月1日 22時