Rerise ページ49
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「…ドラケンくんが…刺された…！」
武道のその焦りを含んだ声に、一瞬呼吸が出来なくなるマイキー。
だが、マイキーは半間の相手をするので手一杯だ。
「たけみっち！…ケンチンを頼む！」
マイキーに託された想い。
武道に託した想い。
それに応えずしてどうするのか。
武道は自分より一回り大きいドラケンをおぶって歩き出した。
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武道が住宅街の道へ入ったところで、ヒナとエマが合流した。
救急車が来るまで、その場で待機することになったのも束の間、キヨマサが現れた。
「まじかよ…」
武道の口から絶望に満ちた声が漏れ、脚を一歩下げた瞬間、
「たけみっち…」
傷だらけのドラケンが声を発した。
「ありがとな…たけみっち…
ヒナちゃんとエマ連れて逃げろ…
俺は…大丈夫だ…はァ…」
「__________逃げろ？」
消えそうな声でそう呟いた武道。
「早くしろ…たけみっち…ッ」
一回目の人生でも逃げて逃げて全部失くしたくせに…？
二回目の人生でもまた、逃げるのか？
その思考が交錯し、武道は覚悟を決めた。
「うわあああああああァァァ！！！」
武道が雄叫びを上げた。
「武道くん…？」
「情けねぇ…！」
武道がヒナの前で腕を伸ばした。
まるで三人を護るように。
「ヒナ、下がってて
ドラケンくん、ごめん…勇気をありがとう」
そう言うと、武道はキヨマサに向かって歩き出した。
「…何だてめえ、死にてえのかこの野郎」
「逃げなくていいのか？雑魚みちィ」
「…逃げねぇよ」
武道は拳を握り直した。
「今度こそ逃げねぇ…！
これは…俺の人生の…リベンジだ…！」
分厚い雲が晴れたような笑みを含んで言った。
ヒナやエマ、それからドラケンが武道の背中を見詰める。
「キヨマサくん、決着着いてなかったよな
喧嘩賭博のタイマンの決着」
「は？」
「何言っちゃってんだてめえ！ありゃどう見てもてめえの負けだろうが！」
「…負けてねえよ」
キヨマサの青筋が立った。
「へぇ〜…じゃあ…たけみっちに一億円！
くだらねえけど…乗ってやるよ」
ドラケンが口角を上げてそう言った。
「ヒナも！武道くんに一億円！」
「ウチは三億円！」
「ヒナ…！？エマちゃん！？」
キヨマサが自己の頭を指さして嘲笑った。
「こいつら切羽詰まってどうかしちまったんじゃねえか？」
「…してねえよ」
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作者名：myu | 作成日時：2021年11月15日 0時
