Reverbed ページ19
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「ごめんなさい！」
ヒナが勢いよく頭を下げた。
「私…勘違いしちゃって…」
「いいよ別に
すげえビンタだったな〜」
悪戯っぽくマイキーが自己の頬を摩った。
「あぁ…すいません！」
「好きな奴のために頑張るのは良いけど、無茶しちゃダメ
相手が相手なら大変なことになっちゃうよ？」
「はい…！」
ビシッと返事をするヒナに笑いかけたマイキー。
「ヒナ、行くね」
「あ、あぁ、え、デートは？」
「今度でいいよ！せっかくお友達が遊びに来てくれたんだし！」
「ばいばーい、今度は叩かないでね」
ヒナは苦笑を浮かべながらぺこりとお辞儀をした。
『ヒナちゃん！また遊ぼうね！』
と言って大きく手を振ったA。
「いい子じゃん」
『んね』
学校に戻って行ったヒナの背中を見詰めてマイキーとAが言った。
「滅多に居ねえよ、あんな子
大事にしてやれよ」
武道にそう言葉を掛けたマイキー。
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武道の運転する自転車に乗るマイキー。
ドラケンの運転する自転車に乗るA。
四人は堤防を走っていた。
ふと、武道が口を開いた。
「あの、マイキーくん」
「ん？」
「その…何で俺の事なんか気に入ったんスか？」
「…くっだらねー質問」
「あ…すみません…」
マイキーが少し間を置いて話し出した。
「…俺、十個上の兄貴が居てさ…
…死んじまったんだけどね」
Aがドラケンの後ろで少し俯いた。
「無鉄砲な人でさ〜、自分より全然強ぇやつにも平気で喧嘩挑んじゃうの」
「へぇー、カッケェ人だったんスね」
「たけみっち…兄貴に似てる」
「え、そ、そんなカッコよくねぇッスよ！
どこをどう見たら？」
「確かに、たけみっちみたくダサくはねえな」
「…それは酷いっス…」
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自転車を降り、マイキーは夕陽の方を向いて立った。
「今って、不良がダセェって言われる時代だろ？」
夕焼けにマイキーの髪が染まる。
「兄貴の時代はさ、この辺りにもすっげぇ数の暴走族が居てさ」
振り返ったマイキーの顔に夕陽の光が反射する。
「その辺をチョッカンコール鳴らして走ってた」
もう一度夕陽の方を向いた。
「皆肩肘張ってさ、喧嘩ばっかして…
でも自分のケツは自分で拭いて
…そんな奴らが何でダセーんだ？」
そこまで言うと、マイキーは堤防の斜面に座りこんだ。
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作者名：myu | 作成日時：2021年11月15日 0時
