Never Again ページ17
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昇降口まで歩いたところでドラケンに肩を組まれた武道。
「元気してた？」
「昨日の今日っスよ？」
「今日暇だろ？」
「いや、そうでもないっス」
「ちょっと付き合えよ」
「え？マイキーくん僕の話聞いてます？」
『…こうなったマイキーに何言っても無駄だよ』
Aが武道に苦笑気味に耳打ちする。
「そんなに緊張しなくても、ちょっとおしゃべりするだけだし
じゃ、行こっか」
「ちょっと待って！」
歩き出そうとした瞬間、可愛らしい女の子の声が聞こえた。
「誰？」
『かわい…』
薄桃色の髪の毛に可愛らしい顔の女の子がA達に向かって歩いてきた。
そして彼女は右手を振り上げ、
『！』
バチィィン!
マイキーの頬をはたいた。
その様子を見ていた全員が驚いた。
ドラケンは青筋を立て、Aは目をキラキラ輝かせた。
「武道くん、行こう
こんな人達の言いなりになっちゃダメだよ」
彼女は武道の腕を掴み、教室へ戻ろうとした。
「…ヒナが守ってあげる」
「…ヒナ」
強気な言葉を吐いたヒナの手は震えていた。
そしてドラケンがヒナの腕を掴んだ。
「おい、殺すぞ餓鬼
いきなりぶん殴って、はいさよなら？巫山戯んなよゴルァ」
「…巫山戯ているのはどっちですか」
「あ？」
「よその学校に勝手に入って来て、無理矢理連れ去るなんて友達のすることじゃありません！
最近の武道くん、怪我してばっかり…
もしそれがあなた達のせいなら、私が許しません！」
すると今度は武道がドラケンの肩に手を置いた。
「…その手を…離せ…！」
「何言ってんのか聞こえねえよ！」
「…その手ェ離せって言ってんだよ！莫迦野郎！」
今度はハッキリと言い切った武道。
「てめえ…誰に向かって口聞いてンだ？」
ドラケンの青筋がますます濃くなった。
慌ててAがドラケンを止めに行こうとしたその時。
「…もう二度と、譲れねぇモンがあんだよ！」
「は？二度と？」
武道のその言葉を聞いて、ヒナの腕から手を離したドラケン。
『二度と…？』
ドラケンを止めようとしたAも静止して呟いた。
その様子を黙って見ていたマイキーが声を上げた。
「…あーあ、せっかくダチになれると思ったのに、残念
…さて、どうやって死にてえ？」
この声色の変わりようは誰でも背筋が冷えるだろう。
その黒曜瞳に見詰められれば尚更。
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作者名：myu | 作成日時：2021年11月15日 0時
