【ヒロアカ】雄英高校ヒーロー科の落第生 (ページ5)

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「「個性把握…テストォ！？」」

グラウンドに出て相澤の口から告げられた言葉を復唱する。

麗日「入学式は！？ガイダンスは！？」

相澤「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ。雄英は “自由” な校風が売り文句。そしてそれは “先生側” もまた然り」

『 “自由” な校風……ねぇ』

Aが小さくそう呟いたのを、緑谷ただ一人が不思議に思っていた。

相澤「お前らも中学の頃からやってるだろ？ “個性” 禁止の体力テスト。
国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けてる。合理的じゃない。まぁ文部科学省の怠慢だよ」

そこで、相澤は爆豪にソフトボール投げを “個性” を使ってやってみろ、と告げた。

そして出た記録は 705m

相澤「まず自分の『最大限』を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

『ふ〜ん…これが “今年の入試ナンバーワン” の実力ねぇ…』

「なんだこれ！すげー面白そう！」

「705m ってマジかよ」

「 “個性” を思いっきり使えるんだ！さすがヒーロー科！」

相澤「……面白そう…か」

爆豪の記録に湧ききっていたクラスは、その相澤の放つ空気に背筋が凍る気がした。

相澤「ヒーローになる為の三年間、そんな腹積もりで過ごす気でいるのかい？
よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し、除籍処分としよう」

「「はあああ！？」」

相澤「生徒の如何は先生(おれたち)の “自由” 。
ようこそ、これが───雄英高校ヒーロー科だ」

こうして始まった個性把握の為の体力テスト。

第一種目 : 50m走では、サーフィンのように水の上を滑り、4秒95 。
第二種目 : 握力では、個性が上手く活きず 35kg 。
第三種目 : 立ち幅跳びでは、水を地面に向かって放ち、その勢いで大ジャンプ。
第四種目 : 反復横跳びでは、水の流れを作りその上を滑走。

そして、第五種目 : ソフトボール投げでは、掌から噴水のごとく水を放出し、その水面にボールを乗せて飛ばした。

記録は───

「724m！？」

「おいおい…爆豪と緑谷の記録抜きやがったぞ！？」

そんな声がいっせいに飛び交う。

相澤「まぁこれが、“昨年の入試ナンバーワン” の実力だな」

ボソッと相澤がそう呟いた。

第六種目 : 長座体前屈
第七種目 : 上体起こし
第八種目 : 持久走

Aは、それぞれトップクラスの成績を叩き出した。