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「あ！そのモサモサ頭は！」
緑谷が真っ赤な顔を自己の手で仰ぎながら深呼吸をしていると、またしても緑谷の背後から女の子の声が聞こえた。
「地味めの！」
緑谷(良い人だ──！制服姿やっべええ！)
「プレゼント・マイクの言ってた通り受かってたんだね！そりゃそうだ！パンチ凄かったもん！」
緑谷「いや！あのっ…！本っ当あなたの直談判のおかげで…ぼくは…その……」
「へ？何で知ってんの？」
ここでチャイムが鳴り響く。
「今日って式とかガイダンスだけかな？先生ってどんな人だようね。緊張するよね」
グイグイと話しかける彼女に「近い…」と顔を赤らめている緑谷。その時───
「お友達ごっこしたいなら他所へ行け」
声のした方を見ると、そこには寝袋の中にくるまった男の姿があった。エナジーゼリーを口にくわえ、ヂュッ！と吸い上げる。
「ここは…ヒーロー科だぞ」
──…
「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限。君たちは合理性に欠くね」
この発言に漸く理解が追い付いた1年A組。考えていることは皆同じだ。「この人は先生なのか？！」と。
緑谷「てことは…この人もプロのヒーロー…？」
相澤「担任の相澤消太だ。よろしくね」
───担任！！？
相澤「…そうだ。言いそびれるところだった。
雄英高校ヒーロー科は20名×2クラス。だがお前ら気付いてるか？この1年A組は今、21名在籍している。」
飯田「確かに…一つ席が飛び出してますね。」
相澤「最も。この中に一人、落第生がいる。」
緑谷「落第生！？」
ザワザワと教室が騒がしくなる。
『相澤先生、ちょっと言い方意地悪じゃないですか？』
緑谷が先程聞いた声。可愛らしい彼女の声だ。
『まるで私が問題児じゃないですか』
もう！と口を尖らせて腕を組んだA。
緑谷「え！？水樹さんが！？」
『そういうこと。あ、でも私は決して問題児じゃないよ？むしろ優等生。…落第した理由が理由だしね』
明るい声色でそう告げたA。最後の一言は小さくてよく聞こえなかったが。
相澤「そういう訳だ。今後一年間、水樹はこのクラスで “例外” として扱う。よって参加する授業と参加しない授業が出てくるだろうから、周りは臨機応変に対応するように。お前もだ、水樹」
『うん、分かった。』
Aがそう返事をすると、相澤がゴソゴソとある物を取り出した。
相澤「早速だが、
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作者名：myu | 作成日時：2022年3月24日 23時
