情けは人の為ならず ページ20
『…私の両親に言われたのです
最低限目の前で困っている人だけでも助けろ、と…』
『だから、私はただただ人を救ってきた
息をするかのように…』
『…情けは人の為ならず…
この言葉の意味を多くの日本人は誤解しています
…自分のかけた情けは人の為になるまい、と
でも本当は自分が人に為した情けは、巡り巡って必ず自分に返ってくる、という意味ですよね』
森は興味深そうにAの話に聞き入る。
『…その言葉をモットーに今まで沢山人を助けて来た、時には異能力者とも闘ったし、大怪我もした
…怖い、痛い、辛い、しんどい、逃げたい、そう何度思った事か…』
『…でももうそれが、私の生き甲斐なのです
…何時の間にか私が生きる意味になり得ていた』
『…先般、森さん、私に言いましたよね？
“夢を見つける事が出来るかもしれない”と
あの後、考えてみたんです
私の夢は何なのだろう、と…』
『……でも、答えは見つからなかった
人を救って助けて情けを掛け続けたとして、その先に一体何があるのか、私の中の何となるのか
考えても全然判らなかった』
『…それを見つける為に此処へ来ました』
森はAの両親の話は殆ど知らなかった。
菅田家の仕切っていた組織は小さく弱小のそれで、噂程度にしか耳には入らなかったのだ。
『…それに、森さん、私にこう告げたんです
…“君達が必要だ”って』
Aは切ない笑顔を浮かべながら云った。
『その言葉は、暗く広大な闇の中で迷いさまよっていた今の私に、明るい光を照らしてくれたのですよ』
『…だから、私はポートマフィアへ入る事を決めた』
『…春菜には申し訳ない事をしたと思いました
けど、春菜は私が一生守り抜くと決めたので』
『…徳ちゃんにも、本当は申し訳ない気持ちでいっぱいなんです
…でも、徳ちゃんは一生応援すると言ってくれた…
だから、私は私を信じます』
そう話すAの表情は強かった。
「………君は、本当に11歳…？」
森がこのような疑問を抱く程Aにあどけなさは無かったのだ。
『？そうですけど…？』
少し笑みを零す森に対して、何が可笑しいの？と言わんばかりに頭に？を浮かべるA。
「…Aちゃん、改めて…
ポートマフィアへようこそ」
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mi(プロフ) - 遥か彼方さん» えぇありがとうございます！！！全然自信なくて…こういうコメント頂けると本当に励みになります！更新頑張って参りますので、宜しくお願い致しますm(_ _)m (2021年7月26日 22時) (
レス) id: 008ae2747a (このIDを非表示/違反報告)
遥か彼方(プロフ) - とても、面白いです！頑張ってください！しています！ (2021年7月26日 20時) (レス) id: 584d470f98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：myu | 作成日時：2021年7月12日 23時
