前向きに考えます ページ16
『…それで？何処へ向かってるの？』
黒い車に森、エリス、A、春菜が座っている。
「シュークリームを買いに、エリスちゃんが食べたいらしくてね、付き合ってくれるかい？」
「シュークリーム！？」
春菜が目をキラキラさせて時めく。
それを見たAは無理だとは言えない。
『……別に、良いけど』
ありがとう、とニコニコの森を横目に、窓の外を眺める。
「着いたかね」
車のドアが開き、森とエリスに続いて外へ出た姉妹。
そこには沢山の一般人が屯しており、こんな凶悪な男には似合わない程に賑わっていた。
『春菜、手、離さないでね』
「うんっ！」
姉妹は森とエリスの後を追う。
森は春菜の分まで買ってくれたらしく、エリスと春菜は御満悦そうにシュークリームを頬張る。
そこで、森がAに声を掛ける。
「Aちゃん、君は人を助けたいかい？」
『…え？』
「君、人を殺した事無いんでしょう？
その様な強力な異能を持ちながら」
『…私は最低限、目の前で困っている人だけでも助けたい……この気持ちは今までもこれからも変わらないと思う』
「そうかい…
…突然だが、君達2人……
ポートマフィアに入らないかい…？」
Aは一瞬何を言っているのか判らなかった。
『…は…？………入りませんよ……？』
「……私達マフィアはね、この横浜の街を守る為の組織なのだよ」
驚くAに森が真剣に話し始める。
「街を守る為ならどんな犠牲も構わない
幾ら命を捨てたって構わない」
『……………』
Aは下を向いて森の話に耳を傾ける。
「Aちゃん、ポートマフィアに入ったら、君の夢を見つけ、叶える事が出来るかもしれない」
『…夢………』
「Aちゃんが人を殺したくないなら、人を殺さなくても善い、勿論、春菜ちゃんもだよ？」
「若し、少しでも気になったのなら何時でもマフィアへおいで
…私達には君達が必要なんだよ」
森はそう云って笑った。
その後、本当に何事も無く2時間が過ぎ、Aと春菜は徳永に迎えに来て貰った。
大丈夫だった？怪我は？何の話したの？など、永遠に質問が続いたので、森は一言掛けて帰ろうとした。
『…あの』
それをAが引き留めた。
『もう少し…考えます………前向きに』
そう森に云った。
「ゆっくり考えるといいよ」
森はにこやかな表情を浮かべてこの場を去っていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mi(プロフ) - 遥か彼方さん» えぇありがとうございます！！！全然自信なくて…こういうコメント頂けると本当に励みになります！更新頑張って参りますので、宜しくお願い致しますm(_ _)m (2021年7月26日 22時) (
レス) id: 008ae2747a (このIDを非表示/違反報告)
遥か彼方(プロフ) - とても、面白いです！頑張ってください！しています！ (2021年7月26日 20時) (レス) id: 584d470f98 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：myu | 作成日時：2021年7月12日 23時
