coming-out (ページ29)

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Fukada 彼女 side

ただ、病室で泣き崩れ、竜生の胸にしがみつきながらひたすら泣き続ける檜山くんはやっぱり年下の男の子だ。

こんな細くなって、食べないで、色々抱え込んで苦しかったよね。

檜山君の湾岸しようぜ湾岸湾岸に大笑いしている彼女さんが頭から離れない。

いつも言ってた。

『私には光成がいる

あなたには深田くんがいる

当たり前のことだけど、その当たり前がなくなることが私は人生で一番恐ろしいことかもしれない』

って。

檜山君は一番恐ろしいことが起こってしまって。

私も、もし死んでしまっていたら竜生に苦しい思いをさせていたはず。

檜山くんの彼女さんは、すごく優しくて私なんかと仲良くしてくれる、

最高のお姉さんだった

あの日も守り続けてくれた。

みんなを、私を。

湧くんの彼女さんが一番強かった。

自分が犠牲になってでもみんなを助けようとしてくれた。

みんなみんな生きようと、生きて帰るんだって

頑張って逃げようとした。

あの日を思い出すだけで身体中が震えてくる。

檜山くんと湧くんは、失ってしまった、大切な存在を。

檜山くん同様、湧くんも痩せて目に光がなくなっていた。

今でも鮮明に蘇ってくる。

あの日、檜山くんと湧くんの彼女さんが殺されてしまう瞬間が、

2人を殺した犯人の気味悪い笑顔が。

憎くて憎くてたまらない。

復讐したいなんて思ってしまうけど、

また会うのが怖い。震えが止まらないんだ。

だから、本当は知っている。

竜生達が復讐を考えていることを。

竜生、私が気づかないとでも思った？？

ずーっと一緒にいるんだよ。

何か私に隠してるとソワソワし出すところ。

話が噛み合わなくなること。

それに、廊下で檜山くんと話してたの少し聞こえちゃったんだよ。

命を落としてしまうかもしれない、

そんな状況なのにあなたを止めることができない

最低な私をまだ好きでいてくれますか。

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