coming-out (ページ18)

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Waku side

颯太の彼女が目を覚ましたあの日から数日後、

子供の保育園の前に病室を訪れた。

入ろうとすると

『湧くんの彼女さん無事だった？』

そう颯太に問いかける声が聞こえた。

俺は、反射的に足が止まってしまった。

長い沈黙が続き、『そおた、、？？』

と沈黙を破るかのように彼女さんの声が聞こえた。

俺は自分の口から言いたくて飛び出した。

『傷つけてごめん、

あいつな、死んじゃったんだ』

そう伝えると、2人の目から一気に大粒の涙が溢れ出した。

泣きじゃくる2人をただ慰めることしか俺にはできなかった。

俺はもう泣かない、

何かあった時に子供を守ることができないから。

あれから保育園に送り、リハに行き、

お迎えに行き、寝かしつけた。

リハの時に、昼に颯太の彼女さんから受け取った手紙を

1人で読むのが怖くて檜山に

夜10時にうちに来てって伝えたんだ。

夜の10時ぴったり、檜山が焦った様子で

何かあった⁈と飛び込んできた。

湧『リハ前にさ、俺の彼女が遺した最後の手紙を受け取った。

それを1人で読むのが怖くて、なにかあるんじゃないかって

誰か隣にいてほしかった。

それで声かけちゃったんだ、悪いな』

檜山『なんだ、そいうことか笑

いいよ、隣にいるから、ゆっくり読みな』

湧『ヤーマン、惚れちまいそうだ』

檜山『勘弁してよ笑

ほら、読みな、俺は隣で大人しく待ってるからさ

読み終わったら、大切な人を失ったもの同士、

色々語り合おう』

檜山はそう言ってソファに座る俺の隣に腰を下ろし

携帯をいじり始めた。

もう1人じゃない

最後の手紙、5年後じゃなくて、今読んでごめんな。

何かわかるかもしれない、

少しのヒントでもいいから

何か得られるかもしれないんだ。

それともう1人でいるのは寂しくて限界なんだ

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