coming-out (ページ12)

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Fukada side

『竜生、陥没に胡麻挟まってる爆笑』

そうやって、彼女にイーって歯を見せる俺に

太陽みたいな笑顔を向けてきて。

くだらないことでいっぱい笑いあう彼女は俺の幼馴染であり、恋人でもある。

彼女がいたから、どんなに辛い時でも前を向いてこれた。

嫌なことがあった時、何にも言わずにいつも通り過ごして、

どうしたとも聞かない。

冷めた奴って言われるかもしれないけど、

俺にはその状況がなによりもありがたかった。

それに、おしゃれなデートとか俺の職業柄出来なくて、毎回お家デート、

それでも一緒にいて楽しいっていってくれる。

そんな彼女とは生まれてからずっと一緒にいるけど

あと半年で付き合って4年になる。

好きだと伝えればこの関係が壊れてしまうと思っていた四年前。

けど、彼女が見に来てくれたサマステの帰り

つい口から出てしまった『好き』が

毎日を幸せにしてくれた。

ーー

深田『あの時ずーっと我慢してよって思ってたけど、思わず好きって口から出ちゃったよね』

『あの時の竜生の顔、思い出すだけで笑っちゃう

自分で何言ったのかわかってなくて、

だけどなんかやばいこと言ったと思って焦って笑

でも一緒にいるだけで楽しい竜生のおかげで毎日幸せだよ』

深田『もう忘れてよ笑

けどあの時、好きって口から出ちゃったこと

後悔してないよ。俺めっちゃ幸せだもん』

ーー

素直で優しくて、キラキラした向日葵みたいに明るい子だった。

あの日が来るまではー

あの事件が起こって、なんとか一命は取り留めた

でも目を覚ますことはない。

お願い、お願いだから目を覚まして。

また一緒に笑い合いたいんだ。

彼女が戻ってきて、俺の名前をもう一度呼んでくれるなら

隣で笑ってくれるならなんだっていいんだ。

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